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可愛い恋人
おなまえは?
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カチャリとメガネを押し上げて、私とは違う方向を見上げてる。
その顔を見ようと回り込めば、相手はそんな私にプイッ…と顔を背けた。
「雨竜ー?」
「……。」
「まだ怒ってるのー?」
「……。」
「おーい、雨竜ー?」
背中を人差し指でつんつんと啄きながら声を掛ければ僅かに身体を跳ねさせる。
が、今日はどうやら強情なようで…私の声に言葉は返ってこなかった。
「(あらら…これはかなりご立腹だ。)」
何故こうなったのか…事は十数時間前に遡る。
高校時代の同級会に向かった私は、久しぶりの再会にお酒がすすんだ。
いつもは飲まない日本酒なんかに手をつけて、すっかりご機嫌モードになっていた。
「一護コラァ、私の酒が飲めねぇのかコラァ。」
「だから飲み過ぎんなっつったろ。酔うと絡み酒になるの気をつけろってアイツにも言われてんだろ?」
「アイツ…?」
「お前の恋人だよ、石田雨竜。」
「雨竜ぅ…?」
雨竜来たの?とキョロキョロする私に呆れて溜め息をついたのは私の幼馴染の黒崎一護。
家族同然に過ごした彼相手だから、もちろん下心なんてものは皆無で。
彼には彼でくっそ可愛い織姫という恋人もいる。
だけど私と一護の仲の良さはクラス中が知っているため、皆は華麗にスルーしていた。
「悪い織姫、コイツ家まで送って来るわ。」
「うん!私たつきちゃん達と二次会行ってるね!雨竜君によろしく伝えて!」
「織姫ぇ、アイラブユー!」
「アハハッ、私もアイラブユー!」
「てめっ…織姫に抱きつくな酔っ払い!」
千鳥足の私は一護から拳骨を落とされ、そのまま自宅まで連行される。
おんぶなんて久しぶりにされたけど、一護相手だから何とも思わないし、むしろユラユラ揺れるのが気持ちよくって。
私はそのまま深い眠りに落ちたのだ。
そして朝…私の隣には現在同棲中の恋人、石田雨竜が眠っていたのだが。
「(ご覧の通り、現在すっかり御怒りのご様子…。)」
怒っている理由は簡単だ。
自分が行けなかった同級会で私が泥酔。
幼馴染とはいえ、異性である一護におぶられ家まで運ばれたこと。
昔から一護とバチバチ喧嘩していた雨竜にとって、私が一護におぶられ帰ってきた光景は不快極まりないものだったのだろう。
「…雨竜くーん、怒ってる?」
「……これが怒ってないように見えるかい?」
「み、見えません…。」
どうやら暫くご機嫌は直りそうもありません。
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