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あの日の君に。
おなまえは?
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突然ですが、私には好きな人がいます。
彼は頭が良くて、優しくて、手先が器用で。
そんな彼の事を見つめて早2年になろうとしています。
「って見つめ過ぎでしょ!!!」
「だってぇっ…話しかけるの緊張するんだもんー!!」
「石田のどこが良いか私にはさっぱりだけどさ、あと3ヶ月で卒業だよ?アンタの頭じゃ同じ大学って訳にもいかないし、このまま卒業するつもり?」
“ケジメつけた方が良いんじゃないの?”と言ってくれる友人のたつきにコクコクと頷く。
でもハッキリ言って、私に脈はない。
なぜかって?
だって石田君には好きな人がいるから。
「井上さん、来週のことなんだけど…。」
「あ、黒崎くんから聞いたよ!」
「(相変わらず仲良いなぁ…。あー…織姫は今日も可愛い。そりゃ石田君も好きになるよ…。)」
そう、石田君は同じクラスで同じ部活だった織姫の事が好きなのだ。
何でわかるかって?
そりゃあ雨の日も風の日も石田君を見つめ続けた私ですからね、わかりますよ。
「私もあと2カップあればなぁ…。」
「なに変なこと口走ってんだ馬鹿。」
「!…なーんだ、一護か。」
「なんだってなんだよ。…つかまた見てんのか。」
「見てるよ、見てますよ。一護と違って石田君と話すこともままならない私だから見つめることしか出来ないんだよー!!」
“文句あんのかこの野郎。”と睨めば相手は苦笑いを漏らしながら私の頭をポンポン叩く。
コイツは昔から私を妹ちゃん達と同じように扱うのだけど、いい加減私だっていい大人だぞ。
「ま、そんな名前に。」
「!ん…なにこれ、招待状?」
「親父がクリスマスパーティーやるって言い出してさ。石田も来るって言ってたし、予定合うなら来いよ。」
「くっクリスマスに石田君と…!?私、今初めて一護が幼なじみでよかったって思ってる。」
「初めてかよ!!」
どうやら神様が優柔不断な私に最後のチャンスをくれたみたいです。
“初めてかよ!!”
“あ、じゃあ2回目!”
“だとしても少な過ぎるだろ!”
「……。」
「…だくん、石田君!」
「!あぁ、来週の話だよね井上さん。」
「もー!石田君また名前ちゃんのこと見てたんでしょ?」
「!い、いやっ…そんなことっーー。」
「隠さなくてもみんな知ってるよ!」
そう言って笑う井上さんに思わず顔が熱くなる。
いや、わかってる。
自分でも隠すのが下手な事くらい。
あの鈍感そうな黒崎にすらバレてるんだ、むしろ当の本人である苗字さんが気づいてないことが不思議なくらい。
「クリスマスパーティー、名前ちゃんも誘うって黒崎君言ってたよ!」
「そ、そうなんだね…。」
「私は石田君のこと応援してるよ!」
「!…ありがとう。」
「あ、待ち合わせなんだけどね!」
“ここ集合だって。”と渡された紙をそのままポケットにしまう。
クリスマスに彼女に会える。
それだけで満足な気もするが、もうすぐ卒業だ。
「(せっかく黒崎が気を回してくれたんだ。やはりこの気持ちは本人に伝えないとな…。)」
そんなことを考えていた僕は、普段なら黒崎の家に直接集合するだろうとかそんな事を考えている余裕はなかったのだ。
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