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貴方の名前はなんですか?
おなまえは?
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それは突然告げられた。
「…なんて?」
「だから、始解が出来たんだ。」
「……なんて?」
「苗字、僕が優しいのは苗字以外のどうでもいい女の子にだけだよ。」
そう言って微笑む藍染の顔が、何度も言わせるんじゃないと圧を出してくる。
分かってるよ!
私だって何度も聞きたいわけじゃないんだよ!
ただ信じられないんだよ!
なんだよコイツ!私より天才とか泣けてくるよ!
「ていうか始解見せてよっ!」
「嫌だよ、苗字のも見せてもらってないのに。」
「お?喧嘩売ってんのか?売ってんだよな?久しぶりにやってやろうかこの野郎!!」
「冗談だよ。それよりお店の中なんだから大きな声は出さないようにね。」
そう言って私の肩をポンポンと叩く藍染にこれでもかというくらい眉を寄せる。
冗談にしてはタチが悪い。
あれか、始解すら出来ない私だから喧嘩しても負けないとか思ってるのか。
「ただの殴り合いなら勝てるのに…。」
「男女差あるのにかい?」
「藍染相手ならなんとかいける。」
「いけないよ。僕と苗字じゃ身長も体格も単純な力だって違うだろう?」
「くっ…ニョキニョキ伸びやがって成長期めっ…。」
「身長は苗字と出会った時からほとんど変わってないよ。それよりもお茶。」
そう言って湯気の出てる湯のみを私の前に出す藍染に渋々頷いて口をつける。
わざわざ休みの日に呼び出されたと思ったら流魂街にある御茶屋に行こうなんて、藍染も変わったやつだ。
そんなことを思いながらも最近は自主練やら実習やらで忙しかったし、たまには息抜きもいいかもしれない。
そんなことを考えた私は藍染のその提案に二つ返事で頷いたのだった。
「お団子は?」
「みたらし…いや、餡子…。」
「…なら両方頼んで半分ずつにしよう。僕も両方食べたかったから丁度いいよ。」
「ん。」
私がコクンと頷けば、藍染は手馴れた様子でお団子を注文する。
なんだか最近の藍染はおかしい。
前ほど感情が表に出なくなったし、言動も少し大人びている気がする。
なんだか、私より先に大人になったみたいな。
そんな感覚だ。
「藍染。」
「ん…なんだい?」
「何かあった?」
「!…どうして、そう思うんだい?」
「なんか、最近少し変わったっていうか…なんか、一気に老けたみたい?」
そう呟けば相手は少しだけ目を見開く。
あ、この顔はいつもと同じだ。
そう思って首を傾げれば、相手はまたいつもの笑顔に戻って眼鏡をカチャリと押し上げた。
「変わらないよ、ずっと一緒にいるんだから苗字が一番よく分かってるだろう?」
「…んー、そう…かなぁ…。」
「苗字は僕が信じられないかい?」
眉を下げてそう呟く藍染に、そんな事はないと伝えるために首を横に振る。
やはり勘違いだろうか。
そう思った私の目の前に出来たてのお団子が運ばれてきた事で、そんな僅かばかりの疑問は頭の隅の方へと追いやられた。
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