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始まりの鐘が鳴る
おなまえは?
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1日の授業が全て終わり、中庭で藍染と一緒に鬼道の自主練をする。
相変わらず苦手意識の強い私を藍染があーだこーだと教えてくれるため私得なのだが、何故か藍染も毎日のように付き合ってくれるから有難い。
好敵手とは、なかなかいいものだな。
そんなことを思いながら集中していた神経を解放して芝生に倒れ込めば、すぐ隣に藍染が腰を下ろしたのが分かった。
「だいぶ良くなったね。」
「藍染くんの指導の賜物です。」
「それは良かった。」
霊術院に入ってもう半年。
藍染とのこんなやり取りも今では挨拶がわりにみたいなものになっている。
思ったことをすぐに言い合える…まさか自分にこんな存在が出来るなんて思ってもいなかった。
「… 苗字。」
「んー?」
「苗字は、飛び級は狙ってないのかい?」
「!…なに、急に。」
いつもよりも低めの声に反応して起き上がる。
藍染は自分の浅打を見つめたまま固まっており、眼鏡が太陽の光を反射させているせいで顔色は伺えない。
ふと廊下で聞いた噂話を思い出した。
「飛び級、いいんじゃない?」
「!」
「実力を買ってもらえてるってことでしょ?そんなの願ったり叶ったりなんじゃないの?」
「…僕は、君の事を聞いているんだ。」
「私…?」
「言われたよ、一回生の中では僕だけだって。苗字に飛び級の話は出ていないって。」
いつもよりも少しだけ弱々しいその声に思わず自分の眉を寄せた。
なるほど、そういう事か。
全く…先生達も余計なことをいってくれる。
そんなことを考えながら、もう一度その身体を芝生の絨毯へと倒した。
…本当ならもっと後で話すつもりだった。
それこそ、護廷十三隊に入隊する時とか…私がいなくなるちょっと前とか。
「(だけどこんな弱々しい声出されちゃったらさぁ、さすがに言わなきゃって思っちゃうよね。)」
「苗字…?」
「藍染、少し長くなるけどいい?」
「!」
「話すよ、全部。どうせ藍染のことだから何かあるってことくらいは察してるんでしょ?」
「…あぁ。」
「ん。」
空はまだ明るい。
青い空にフワフワした雲が浮いていて、それを見ていたら金平糖が食べたくなった。
…後でこっそり買いに行こう。
そんな事を思いながら、私は隣にいる藍染に向かってゆっくりと口を開いた。
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