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得手不得手
おなまえは?
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ブスブス…と燻る煙を眺め、小さく息を吐く。
これは一体どういうことだろうか。
「…意外、だな。」
「偶然だね、私も同じことを思っていたよ。」
「いや、多分僕らだけじゃないよ。」
“きっと皆が思ってるさ。”
そう言って肩をすくめる藍染に、そんなことは無いだろうと視線をあげれば全員が私から顔を背けた。
…なるほど、藍染の言うことが正しいらしい。
「あのー… 苗字、そこまで落ち込むことはないと思うぞ?鬼道は得手不得手があるんだ。」
「…先生、正直に言ってください。」
「……ここまでセンスがない奴も珍しいな。」
「くそうっ…!」
先生の言葉に膝から崩れ落ちれば周りから哀れみの篭もった視線を向けられる。
霊圧も強い。
白打のセンスだってある。
戦闘するために必要な頭の回転だって、そこら辺の死神には負けない自信がある。
「ただ鬼道のセンスがないとは思わなかった…!」
「本当に意外だよ。苗字には苦手なものが無いのかと思っていたからね。」
「油断してた…。」
「…それなら、鬼道は僕の勝ちだ。」
「は…?」
「破道の四、白雷。」
刹那、藍染の指先から一条の光が放たれる。
一回生(しかも僅か1ヶ月)で破道の詠唱破棄とは…コイツはどこまで天才なのだろうか。
ていうか化け物かよ。
いや、霊圧の強さなら私のが絶対強いけど。
きっと藍染惣右介という男は霊圧を使いこなす事に長けているのだろう。
「れ、霊圧は私のが強いのにさぁっ…!」
「そうだね、でも使いこなせないならそれは無いに等しいモノだと僕は思うよ。」
「…あのさ、藍染ってさ、裏で女子院生達になんて呼ばれてるか知ってる?」
「なんだい?」
「優男。」
「やさ…?」
「優しい男って書いて、優男。」
「へぇ…初耳だな。」
「だろうね、だって優男じゃないもんね。性格クソ悪いもんね本当は。嫌味しか出てこないもんね君のその綺麗なお口はさァ!」
顎に手を当てわざとらしく悩む藍染に、周りから黄色い悲鳴が上がる。
おいおい貴方たちの目は節穴ですか。
さっきまでこの口から嫌味が出てましたよ。
聞こえませんでしたか?
「あれだね…羊の皮を被った狼だよ、藍染は。」
「それは苗字に対してだけだからね、安心してくれていいよ。」
「どのあたりを安心をしろと?」
そんなやり取りをしながら、私の初めての鬼道実習は終わりを迎えました。
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