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破面
おなまえは?
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破面、と呼ばれる彼らは普通の虚とは違う。
その多くが人の形をしていて、自身の能力を封印した“斬魄刀”を持ち歩く。
それだけでも十分驚きであるはずなのに、さらに彼らは知性を持ち虚夜宮(ラス・ノーチェス)と呼ばれるこの建物で集団生活している。
「数字持ち(ヌメロス)に十刃(エスパーダ)に従属官(フラシオン)…それから十刃落ち(プリバロン・エスパーダ。)」
「はい。」
「…で、貴方は十刃なんだよね?」
「第4十刃、ウルキオラ・シファーです。」
「第4…ってことは、破面の中でも4番目に強いってこと?」
「そう考えていただいて結構です。」
なんの躊躇いもなく言い切るその破面に、随分と無表情な破面もいたものだと感心する。
この虚夜宮で出会った破面達はみんな私たちと同じように笑ったり怒ったりしていたのに…。
ウルキオラ、と名乗ったこの破面は…無。
不機嫌な訳でもなく、ただただ無。
「(瞳だって色は綺麗なのに、何故だかひどく暗く見えるし…何を考えてるのか全く分からない…。)」
「…他に聞きたいことはありますか?」
「あったら答えてくれるわけ?」
「藍染様から本人が望むままに過ごさせるようにと命令されておりますので。」
「はいはい…つまり好き勝手やっても把握出来るように監視しとけってことでしょ?」
「……。」
「無言は肯定、か。」
ここに来て何日経ったか分からないが、ようやく部屋の外に出て良いと許可が出たのに…。
1歩後ろを歩く彼から感じる霊圧は馬鹿みたいに高いし、首についたソレのおかげで私の霊圧は今日も絶不調。
つまり逃げるなんて選択肢は初めから用意なんてされていなくて…まるで久しぶりに散歩に連れ出された愛犬とその世話を上司から頼まれた部下の気分だ。
「そうー……藍染様は?今なにしてるの?」
「それはお答えできません。」
「なんで?」
「その質問には答えるなと言われております。」
「…なら、破面はどうやって作られてるの?」
「それもお答えできません。」
「あー…じゃあ、貴方達にとって私ってどういう立場の人なの?」
「…藍染様の全て、だと。」
「!」
その意外な答えに思わず立ち止まってその声の主の方へと視線を移す。
が、そこには相も変わらず無表情のウルキオラが立っているだけで…なんだか無駄な期待をしてしまった気分になった。
「あのさ…破面にもあるの?その、誰かを大切に想う気持ち的なやつ?」
「それは…分かりかねます。」
「ない、って断言しないんだ?」
「…少なくとも俺には理解しかねます。ですが藍染様の命令であればそれに従うのみです。」
「ふうん…なんか、変だね。」
“思ったよりも破面って複雑だ。”
そう私が呟いた瞬間、ウルキオラの目元がピクリと動いたことに私は気づいてないふりをして再び足を動かし始めた。
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