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その役目を担うのは
おなまえは?
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重たい瞼をゆっくりと持ち上げる。
「……夢か…。」
なんだか懐かしい夢を見ていた気がする。
そう思いながら目の前で眠る男を見つめ、そのいやに整った顔に手を伸ばした。
「おはよう、名前。」
「!…狸寝入り?」
「さっきまでは眠っていたよ。けど、隣から名前の声がして目が覚めた。」
「あー…ごめん、つい…。」
起き上がろうとする私の身体に回っている腕を軽く叩いてみても、その腕が緩む様子はない。
それどころか反対の手が私の背中をスルリと撫でるものだから私の身体はビクリと跳ね上がった。
「名前、僕が好きかい?」
「…好きじゃない。」
「なら、嫌いかな?」
「……嫌いでもない。」
「それなら質問の仕方を変えよう。名前は僕のことをどう思っているのかな?」
「そんなの聞いてどうするわけ?」
「そうだな…、とりあえず今から君を抱くための言い訳に使わせてもらうつもりだよ。」
そんな言葉を最後に重なる私と惣右介の唇。
ただでさえ寝起きで回らない頭が、口の中を蹂躙するソレのせいで余計にぼうっとする。
こんなことなら起きた瞬間にさっさと布団から抜け出しておけばよかった。
「ダメだよ名前、今から僕に抱かれるのに僕以外のことを考えるなんて。」
「仕事に行かなくていいんですか?藍染様。」
「大丈夫、まだ夜だよ。」
「…惣右介。」
「なんだい?」
「愛してる。」
「…僕もだよ。」
“愛してる。”
耳元で囁かれた言葉に涙が零れそうになる。
外からさす光は月の光。
虚圏は常に夜である、という話を霊術院の授業で聞いたのは何百年前の話だろうか。
「(あの頃の私達は確かに同じものを見ていたはずなのに…。)」
「名前…?」
「惣右介…お願いだからーーーー。」
「何も考えなくていい。名前、君は僕のことだけを見ていればいいんだよ。」
落ちてくる甘い口付けに脳が動くことを止める。
惣右介さえいてくれればそれでいい。
そう考えそうになる思考を止めて、この瞬間だけはと今の現実から目を背ける。
「(そうする事しか、今の私には出来ない。)」
その広い背中に手を伸ばして、私は惣右介の唇に自らのソレを押し付けた。
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