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共同戦線
おなまえは?
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まだ日が登りきる前に外に出る。
今は静かな空気に包まれたこの瀞霊廷が、数時間後には戦いの波に包まれる…。
そう考えると少しだけ震えた指先を握りしめて、とりあえずはソイツらがいるであろう場所へと向かった。
「…何してんですか、更木剣八さん。」
「あ゙…!?」
「ナマエちゃんだぁッ!!」
相変わらず馬鹿でかい更木剣八の背中に乗っていたやちるちゃんが私の方へと飛びついてくる。
それをしっかりとキャッチしてから、驚いたように私を見ている彼らに大きく息を吐いてみせた。
「相変わらず霊圧探知能力低すぎです。百年間も何してたんですか。」
「…また亡霊が出やがったか。」
「一角と隊長が揃って幻でも見たのかと思っていたけど、本当だったんだね。」
「だから言っただろうが、あのクソムカつく奴が帰ってきてるってよォ。」
「だって信じられないだろう?百年前に唐突にいなくなった奴が戻ってきたなんて…。」
“百年経っても副隊長は変わらず美しくないね。” と呟いた綾瀬川の背中を思いっきり蹴り上げて、ついでにと隣のハゲ頭を引っぱたく。
それから更木剣八の背中に回れば、そこには驚いたように目を見開いた織姫ちゃん達がいた。
「遅くなってごめんね、助けに来たよ。」
「名前さん!?」
「か、彼らと知り合いなんですか?」
「あー…まぁね。それより全員無事?怪我は?」
腕の中にいたやちるちゃんを下ろして、4人の身体を隅々まで見て回る。
織姫ちゃんとチャド君はほぼ無傷で、岩鷲も所々に包帯は巻かれているものの走れるくらいには回復しているようだった。
しかし唯一、雨竜君の身体だけはそうもいかなかったらしい。
微かに霊圧は残っているものの、瀞霊廷に来た当初のソレとは比べ物にならない。
「…雨竜君。」
「大丈夫です、それよりも今は朽木さんを助けることを考えましょう。」
「……わかった。」
恐らく彼は戦いの中で滅却師としての力を失ったのだろう。
それでも今は朽木ルキアちゃんを助ける事が優先だと言える雨竜君は本当に優しい子なのだと思う。
「(大丈夫、この子たちは私が守る…!)更木隊長、今はどこに向かっているんですか?」
「どこも何も…俺は黒崎一護のいる場所に行けりゃあ問題ねぇ。」
「なら私についてきてください。今の居場所は分かりませんけど彼が来る場所なら知ってますから。」
「…そいつはいいが、苗字。テメェとの決着も一護の後につけるから覚悟しとけや。」
「あはは、心底ご遠慮したいです。」
そう言って一歩踏み出した瞬間、かなり強い霊圧が近づく感覚がして咄嗟に刀を引き抜く。
そしてそのまま気配のした方へと振り下ろせば相手方の刀とぶつかって火花を飛ばし、同時にミシリという鈍い音が私の鼓膜を揺らした。
「…旅禍か。」
「だったら、なに?」
「テメェを斬って、捕まえる…!!」
チラリと見えた男の顔には、現世で待っている仲間の1人を彷彿とさせる69の数字が刻まれていた。
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