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嫌味な男
おなまえは?
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「やぁ、苗字さん。おはよう。」
「……はよ。」
挨拶の声が思わず小さくなってしまったのは、私が低血圧だとか気分が悪いとか…そういう理由ではない。
全ては目の前でニッコリと微笑む男…藍染が教室の前で私を待ち伏せていた事が原因である。
「毎朝、待ってるつもり?」
「そうだね、その方が苗字さんと朝から色々と話が出来るだろう?」
「…私は別にアンタと仲良くお話するために通ってるわけじゃないんだけどね?」
「僕もだよ。あぁ…それより、今日はいよいよ浅打の授与があるね。」
楽しみだ、なんて上手いこと話をすり替えた藍染に小さく息を吐く。
霊術院に入って4日目。
何故か2日目以降からコイツは私の周りを固める。
確かに実力は認めたけど、別に仲良くしていこうとか考えていたわけじゃない私にとっては面倒なことこの上ない。
…けど振り払うことが無駄だと思えるのはコイツが何度断っても諦めない奴だと、この2日間で実感してしまったからだ。
「藍染君っ、おはよう!」
「あぁ、おはよう。」
「あ、苗字さんもっ…おはようっ…。」
「…おはよ。」
「お話の邪魔しちゃってごめんねっ…!」
そう言ってパタパタと走り去っていく女子を笑顔で見送る藍染。
入学して4日…藍染に声を掛ける女子は数知れず。
…そして、そんな藍染の隣にいる私を見て逃げていく女子も数知れず。
まぁ、上手いこと利用されてるな…なんて思える私は随分と心が広いと思う。
「おかげで私の敵は増えるばかりですけどね。」
「苗字さんは家柄も実力も普通の女の子達には負けないからね、助かってるよ。」
「あはは、お褒め頂き光栄です藍染くん。」
「怒ったかい?でも、これに関しては僕も苗字さんもお互い様だろう?」
そんな言葉を吐きながらチラリと視線を横にズラす藍染につられてソッチを見る。
するとコチラを見ていた男子院生達と目が合ってしまったため、仕方なくニコリと笑ってみせた。
「分かったかな?」
「男の嫉妬より女の嫉妬のが怖いんだよ。」
「知ってるよ。だからこそ万が一にも君に何かあったら僕が守ってあげるさ。」
「寝言は寝て言え。」
“気持ち悪い。” と吐き捨てれば、相手は何故か少しだけ頬を緩めて頷いた。
「素直じゃないね。」
「(…コイツの精神力の強さなんなん。)」
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