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私の決意など
おなまえは?
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無言で瞬歩を続ける市丸にひたすらついていく。
途中、雨竜君と織姫ちゃんがデカめの霊圧とぶつかっているのが分かったが足を止めることは出来なかった。
目の前の市丸はそれすらも分かった上で足を動かし続けているのだろう。
チラリと私の方を振り向いて、その口角を愉快そうに吊り上げた。
「ええの?あの子ら死んでまうんやない?」
「…覚悟の上で連れてきてる。」
「覚悟の上…にしては辛そうな顔しとるね。」
「チッ…。」
思わずこぼれた舌打ちに相手はクスリと笑う。
私の考えていることなど全て分かっている、とでも言いたげなソイツに出会ったばかりの惣右介を思い出した。
“類は友を呼ぶ。”
現世に伝わることわざが頭の中に思い浮かんだ。
「…ここや。」
「…嫌な予感しかしないな。」
「まぁ入り。今は誰もおらんから。」
「誰もいない…?」
「…見てみれば分かるよ、名前さん。」
そう呟いて市丸が入っていくのは清浄塔居林。
四十六室の為の居住区域であり、普通の死神が好き勝手に出入りできる場所ではない。
今は誰もいない、と言い切った市丸に裏は無さそうに見えた。
つまり、そう確信できる何かを市丸は知っているのだろう。
そこまで考えて、私は今日何度目か分からない舌打ちを小さくこぼし市丸の背中を追った。
「ようこそ、四十六室へ。」
「ッ…!?」
市丸に促され部屋の中へと入れば、途端に吐き気がこみ上げてきた。
目の前にあるのは…死体。
何日も前から放置されているであろうソレの干からびた血と共に椅子に縫い付けられているかのような姿に私は思わず視線をそらした。
「これが、今の四十六室や。」
「ッ…アンタ達が殺したのッ…?」
「そやね。」
「ッ……。」
「でも他の皆は気づけへんよ。藍染隊長の鏡花水月はホンマ優秀やから。」
その言葉に私の脳がグラリと揺れたのが分かった。
百年前のあの時と同じ。
藍染惣右介という男が、本当はどういう男なのかを叩きつけられたような衝撃。
何度も夢であって欲しいと願った、藍染惣右介という男の明白な裏切り。
「四十六室は藍染隊長の思う通りに動く。朽木ルキアちゃんの処刑も然りや。」
「何が言いたいのっ…?」
「…誰も藍染隊長を止められへん。それでも、名前さんは諦めへんの?」
「!」
市丸の目が薄く開く。
いつもは見えない綺麗な瞳が私の身体を鋭く射抜いてみせた。
「…ギン。」
「!」
「関係ないよ。」
「…関係ない?」
「たとえ自分の命と引き換えになっても惣右介に自分の過ちに気づかせる。そのためなら圧倒的に不利な現状とか他人の考えとか惣右介の気持ちとか…そういうの全部、関係ないから。」
「…重いんやね。」
それが私の気持ちに対して言われたのか、言葉に対して言われたのかは私には分からなかった。
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