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それぞれの因縁
おなまえは?
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「山田 花太郎です。」
《いや、逆に覚えにくい!!》
私たち3人が揃ってそう返せば、相手は困ったように眉を下げる。
肩に救護用の袋を掛けているところを見ると、どうやら彼は四番隊隊士のようだ。
「皆さん覚えやすいって言ってくれますよ?」
「いや太郎とか花子なら分かるけどよ、花太郎って逆に覚えにくいだろ。」
「というより、なんでこの子連れてきたの?」
「一護の野郎が勝手に連れてきちまったんすよ。」
「いや流れでつい…。」
「流れかよ!」
そんな岩鷲の言葉を皮切りにギャンギャンと言い合いを始める2人に呆れつつ外へと意識を向ける。
追われていた2人(+花太郎)を見つけてとりあえず倉庫に逃げ込んだはいいが、あまり長居は出来ないだろう。
大丈夫だ、今のところ全員の霊圧を瀞霊廷の中で確認出来ている。
焦らず、着実に進むのが1番いい。
「あの…ルキアさん、って…もしかして朽木ルキアさんの事ですか?」
「!…ルキアのこと知ってんのか…?」
「はい…。一護さん達は朽木ルキアさんのことを助けに来たんですか?」
「あァ…そうだ。」
「…そうですか。…僕、知ってますよ。ルキアさんの居る懺罪宮への近道。」
自分の膝の上で両手をグッと握りしめる花太郎に私たち3人は押し黙る。
一瞬罠かとも思った。
でも、どう考えてもこの子はきっとそこまで器用なタイプではないだろう。
とても真っ直ぐで、純粋。
この子から感じる霊圧がソレを物語っていた。
「花太郎。」
「!…は、はい…。」
「貴方、四番隊でしょ?」
「そ、そうですっ…。」
「四番隊は救護支援が仕事。そんな貴方を連れて行っても足手まといにしかならない。」
「!」
「おい名前さんッ…!」
「一護は黙ってて。」
私を止めようと身を乗り出した一護をギロリと睨みつけて黙らせる。
護廷十三隊に所属している彼が本当に旅禍である私たちを助けるつもりなら、それ相応の覚悟が必要だろう。
それは彼の人生をも左右する大きな覚悟を。
「もし貴方に何があっても私達は干渉しない。最優先事項は朽木ルキアちゃんの奪還。それ以外に使う余力はない。」
「っ……。」
「…それでも、貴方は私たちに協力する?」
「…ぼ、くはっ…あの人を助けたいんですっ…。」
「……。」
「僕には無理でもッ…一護さん達ならッ…。」
「他力本願?」
「違いますッ…!四番隊にも出来ることはあるッ!自分達が出来ることに日々全力で向き合うのが僕達四番隊ですッ!」
プルプルと震えながらも私の顔をしっかりと睨みつける花太郎に思わず頬が緩まる。
四番隊は、弱い。
でもそれは死神としての戦闘力の話で…。
人の死と向き合い、人を生かすことに全力を注ぐ四番隊は実はどの隊よりも誇りを持っている。
まだ私が護廷十三隊だった頃、“ 四 ”を背負うあの人とそんな話をした事があったっけ。
「さすが…あの人の部下だね、花太郎。」
「えっ…?」
「…なんでもない。」
怖がらせてごめんね、と謝った私に花太郎はブンブンと首を振った。
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