↓↓
昔話をしよう
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゆっくりと地面に倒れ込む斑目の姿を見つめる。
意外にも早く決着がついた。
そう思って彼らと同じ地面に下りれば、斑目を斬った一護もその場にガクッと膝をつく。
「ま、及第点だね。」
「っせェ…。」
「傷、見せて。」
「別に平気だ。」
「それを判断するのは私の役目なの。」
顔を背ける一護の顎をつかみ、無理矢理自分の方へと顔を向かせる。
左目の上の傷は浅いが出血が多い。
本来ならば気にしないが、戦いがこれからも続くと考えたら早めの止血が必要だ。
そう考えながらチラリと視線をそらせば刀型へと戻った斑目の斬魄刀が見えて、私はつい自分の口角を吊り上げた。
「名前さん、悪い顔してんぞ。」
「悪い顔とは失礼な。良いこと思いついただけ。」
“そもそもお面があるのに見える訳ないだろう。” と呆れつつ、転がっている斑目の斬魄刀を拾い上げる。
そしてその頭部分を外せば、止血薬特有の匂いが私の鼻をくすぐった。
「いいのか、勝手に使って。」
「いいのいいの。本人にも後で塗ってあげるし。」
「なら先にソイツやってやれよ。… 名前さんの知り合いなんだろ?」
「!…なんで、そう思うの?」
「…何となくだけど、一角はアンタのこと知ってる口ぶりだったから。正体を隠したいって言った時点で知り合いがいるんだろうなとは思ってたし…。」
そう言って斬魄刀を担ぎ直す一護に、まぁ仕方ないかと息を吐いてから小さく頷く。
それからうつ伏せに倒れ込んでいた斑目の身体を仰向けになるようにゴロンっと転がした。
「その後に浦原さんの名前を出した時も一角は反応してたしな。」
「…喜助さんのことは喜助さんに聞くべきだよ。私からは何も言えない。」
「…なら、名前さんのことは?」
「もちろん…教えられる範囲なら教えてあげるよ。」
斑目の上半身の傷に止血薬を塗っていく。
この戦い前に補充したのだろうソレは、斑目と一護の傷を塞ぐために必要な量はあるようだ。
戦いには万全を期す。
斑目一角という男はそういう奴だったな、なんて少し懐かしくもなった。
「……全部終わったら、教えてもらう。」
「え…?今聞かないの?」
「あァ…今聞いても全部は理解出来ねェだろうし。
それに、戦場では自分の目指すものだけを真っ直ぐ見てろってうるせぇんだ…俺の師匠ってやつが。」
「!」
「コイツ起こしてルキアの居場所聞こうぜ。あ、その前に岩鷲の野郎も回収しねェと。」
私の手の中にあった止血薬を受け取り、自分の傷口に塗る一護につい頬が緩む。
正直、不安になっていた。
もし一護が全てを聞きたいと言い出したら、私は上手く話せる自信がなかったから。
だから嬉しかった。
一護が、自分の受け入れてくれたような気がして。
「…ありがとう、一護。」
「…別に、何もしてねェよ俺は。」
プイッ…と視線をそらした一護が可愛くて、ついクスリと笑ってしまったのは不可抗力だ。
1/3ページ