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置いていったのはどちらか
おなまえは?
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昨日の夜、自分がどうやって瀞霊廷に戻ったのかは覚えていなかった。
目覚めたら十一番隊の執務室にいて、自隊の隊長達に寝起きの顔を覗き込まれていたから。
それは私にとって、いつも通りの朝だった。
「(いっそ夢だったら良かったのに…。)」
「おい苗字、昨日の夜は随分と騒がしかったらしいじゃねェか。なんで俺を呼ばねェ。」
「…あちこち探したのに、瀞霊廷にいなかったのは隊長じゃないですか。」
「剣ちゃん流魂街でお酒飲んでたんだよっ!」
「やちる、余計なこと言うんじゃねェ。」
不機嫌そうに呟いて椅子に腰掛ける更木隊長を横目に自分も軋む身体を無理矢理起こす。
喜助さん達はあれからどうなったのだろうか。
平子隊長達は無事…なのだろうか。
惣右介は、隊舎にいるのだろうか。
「失礼致します。」
「!…なんだ、裏廷隊か。」
「報告致します。」
昨日と同じように、淡々と報告をする裏廷隊の言葉に私の喉が詰まる。
十二番隊隊長の浦原喜助と大鬼道長の握菱鉄裁が中央四十六室により強制捕縛。
浦原喜助は禁忌事象研究及び行使、儕輩欺瞞重致傷の罪で霊力全剥奪の上で現世へ永久追放。
大鬼道長である握菱鉄裁は禁術行使の罪により第三地下監獄“衆合”に投獄。
しかしその査問中に賊が侵入し、2人は連れ去られ未だ行方不明だという。
「あの浦原さんが…意外だな。」
「でも2人とも賊に連れ去られたんだろう?ならもう殺されているかもね。」
いつの間にか執務室へ来ていた斑目と綾瀬川の言葉に息を吐いて立ち上がる。
何となくだけど、賊の正体は分かっていた。
喜助さんもテッサイさんも、そしてその賊も、きっとあそこにいる。
「…更木隊長、私少し出てきます。」
「あ゙?」
「一応総隊長から待機命令が出てますから、勝手にどこか行かないでくださいね。」
「…どこに行く気だ。」
「野暮用です。」
ギロリと私を睨みつける隊長に手を振って、怒られる前にと自隊の隊舎を後にする。
総隊長からの待機命令だと伝えたし、後は斑目と綾瀬川に任せよう。
「待ってナマエちゃんッ…!」
「!…やちるちゃん?」
「あのね、帰ってくる?」
「え…?」
「剣ちゃん、ナマエちゃんのこと好きだよ!つるりんもゆみちーも!ナマエちゃん居なくなったら寂しくて泣いちゃうかもしれないの!だからねっ、絶対に帰ってきてね!!」
不安そうに私を見つめるやちるちゃんの頭をよしよしと撫でる。
もちろん、すぐに帰ってくる。
本当はそう言いたいけど…今から行く場所で何かが起きれば、すぐという訳にはいかないだろう。
「もちろん、帰ってくるよ。」
「本当にっ…?」
「本当に。だから、待ってて。」
何年掛かっても、戻ってくるから。
最後の言葉は飲み込んで、私は再び目的の場所に向かって足を動かした。
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