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何かが崩れる音がした
おなまえは?
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九番隊の六車隊長達が調査に向かったという報告から数刻が経ち、事態は一変した。
「遅くなりましたッ…十一番隊副隊長、苗字 名前入りますッ…!」
「なんや苗字、隊長はどないしたん。」
「探したんですが見当たらず私が代わりにッ…。」
「良い、入れ。」
オジジ…基、山本総隊長のその声に頷いて本来ならば更木隊長が立つべきであろうその場所に向かう。
そろそろ風呂に入って寝ようかという時間に木霊した、六車隊長達の霊圧消失と隊長への緊急招集の知らせ。
あの戦闘狂はいくら探しても見つからず仕方なく私が来たのだが、それは間違いではなかったらしい。
「火急であるッ…!」
ビリビリッ…と空気が揺れる。
山本総隊長から告げられた内容は私が想定しうる中で最も最悪な展開だった。
六車隊長と久南副隊長の霊圧の消失。
もちろんその原因は不明。
そしてこの事件は護廷十三隊の誇りにかけて解決すべきものになったという事実。
「よってこれより隊長格を5名選抜し直ちに現地へと向かってもらう。」
刹那、ダンっ…と扉の向こうに現れたのは何時になく慌てている様子の喜助さんだった。
ゼェゼェと肩で息をしている。
それがいつもの彼らしくなくて眉を寄せれば、彼は自分が現地に向かうと言い出した。
「…ならん。」
「ボクの副官が現地に向かってるんス!僕がーー。」
「喜助ッ!!」
「!!」
「情けないぞ、取り乱すな!自分が選んで行かせた副官じゃろう!お主が取り乱すのはそやつへの侮辱じゃと言うのが解らんかッ!!」
夜一さんの怒声に辺りが静まり返る。
喜助さんの気持ちは皆が理解している。
ここにいる誰もが、喜助さんと同じような思いを抱えているのだから。
「…続けるぞ。」
白羽の矢が立ったのは三番隊の鳳橋隊長、五番隊の平子隊長、七番隊の愛川隊長だった。
夜一さんは別命があるまで待機。
六、八、十一、十三の隊長は瀞霊廷の守護。
そして四番隊は総合救護詰所にて待機となった。
「お待ちください総隊長。負傷者の処置を考えるのであれば私は現地へ向かうべきではないでしょうか?」
「…いや…状況が不明である以上、治癒部門の責任者を動かす訳にはいかん。現地には別の者を向かわせる。…入れ。」
総隊長の言葉に、扉が開く。
そしてその中から現れたのは私も何度かしかお会いしたことのない、鬼道衆の大鬼道長と副鬼道長だった。
「(まさか鬼道衆まで出てくるなんて…。)」
「話は伝わっておるな。お主ら2人には現地へ向かってもらいたい。」
「承知。」
「わかりまシタ。」
「…おーい、山じい。や、すんません。あのさ、状況も分からない前線に2人揃って行かせるのはマズいんじゃないっすかね?」
いつものようにゆるっと声を発した春水さんの言葉に反応する総隊長。
そのままコロコロと話が進み、大鬼道長の代わりに八番隊の矢胴丸副隊長が現地へ向かうことになった。
「…そう心配そうな顔しなさんな。信じて待つのも隊長の仕事だよ。」
春水さんが喜助さんの肩を叩いて呟いたその言葉の重さを副隊長である私はその場の誰よりも感じていたと思う。
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