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小さな違和感
おなまえは?
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「魂魄消失事件…?」
「あァ。」
「なんでも流魂街で魂魄達が跡形もなく消えるらしいよ、しかも突然にね。」
そう言って息を吐く綾瀬川に思わず眉を寄せる。
虚に襲われたりして大怪我をすることで消えるなら分かるが…突然に消える、なんて。
しかも2人の言い方を聞けば原因も解明されていない事は明らかで…私の心の中がザワっと揺れた。
「それで?」
「それでも何も…今朝方に先遣隊が調査に向かったらしいよ。」
「何かの流行病か…それとも…。」
「何者かの陰謀…?」
「まさか。一角も苗字も考え過ぎだよ。」
「…ていうか、いい加減2人とも私のこと呼び捨てにするの止めようよ。私、副隊長だよ?」
「僕、自分より美しくない人を敬うの嫌いなんだ。」
「俺も、めんどくせぇ。」
揃って馬鹿みたいな言い訳をする2人に私の持っていた筆がバキっと折れる。
更木隊長を追いかけて死神になったと言うだけあって、この2人もなかなかに良い根性をしている。
確かに綾瀬川は綺麗な顔立ちをしているし、斑目はハゲだけど霊圧は強い。
…が、私のが死神としての霊圧も強いし地位も高い。
いい加減コイツら痛い目に遭わせて反省させてやろうかとも思うが、その目論見はいつも未遂で終わる。
「(だってそんな事したら更木隊長がご機嫌で追いかけてくるの目に見えてるし…。)」
「そういえば五番隊に入ったあの天才、もう席官って本当かよ?」
「!…あぁ、ギン?」
「ギン…って名前だったかは知らねぇが、霊術院を1年で卒業したんだろ?」
「あぁ… 苗字の恋人が随分と可愛がっているって噂されている彼か。」
「可愛がってるかは知らないけど…天才らしいよ、藍染副隊長曰く。(本物の天才は惣右介本人だろうけど…惣右介、隠したがってるしな…。)」
「天才、ねぇ…。」
“そりゃ可哀想に。”
そう呟いた斑目に綾瀬川が首を傾げる。
そんな綾瀬川になんでもない、と答えた斑目の呟きに隠された意味を私は何となく理解出来てしまった。
「(天才とは、常に孤独との戦いである…か。)」
その言葉はかつて私が母に言われた言葉。
最初は分からなかったその言葉の意味も、今ならハッキリと理解出来る。
天才とは、天才であるが故に理解されず
常に孤独と背中合わせに生きている。
私には藍染惣右介という存在がいてくれたから、
私の背中には常に惣右介の背中があったから、
だから私は、孤独ではなかった。
「…十三番隊に書類届けてくる。」
未だにダラダラと何でもないお喋りを繰り返す2人にそう呟いて、私は執務室を後にした。
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