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変わった世界と変わらない君
おなまえは?
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数十年後。
ダダダダダっ…と瀞霊廷内を全力の瞬歩で逃げる。
自隊に新しい隊長が就任して早1ヶ月…いけ好かなかった前隊長が倒されて喜んでいた自分に言ってやりたい。
この隊長のが色々やばいぞ、と。
「おーう苗字!何逃げてーーー。」
「後のこと頼んだハゲっ!!」
「ハゲじゃねぇよ!!」
ギャンっ…とキレたハゲ…基、斑目一角の隣を一瞬で通り過ぎる。
その隣では眉を寄せ美しくないね…なんて呟く綾瀬川弓親もいたが、今は無視だ、無視。
「(まさか壊れるなんて…しくった!!)」
後ろからは隊長である更木剣八の霊圧が追ってくる。
が、彼は霊圧察知能力が低い。
つまり逃げられる自信しかない!!
そんな事を思いながら私は幼馴染である浦原喜助の元に向かってひたすらに足を動かした。
「あらら、壊れちゃいましたか。」
「そうなんです…。おかげであの戦闘狂に追われて全力で逃げてきました。」
「新しい十一番隊の隊長さん、なかなかに大変みたいですねぇ。」
「戦闘以外は仕事全くしませんからね。一緒に入ってきたやちるちゃんは可愛いけど、ハゲと自意識過剰男は戦闘狂寄りだし…。」
“おかげで私が隊長の雑務全部やってます…。” と息を吐く私の頭を撫でてくれる喜助さん。
1年ほど前に十二番隊の隊長へと就任した彼は今や技術開発局なんてものを設立し、その局長をも兼任している。
そして、そんな彼が困り果てた私のために作ってくれたのが“個人用霊圧遮断装置”。
自隊の隊長に目をつけられ戦闘になる事を避けたいと訴えた私のために殺気石を使って作ってくれた私専用の道具だ。
「つまり、副隊長はどこの隊でも苦労するっちゅうことやな!」
「猿柿副隊長、分かってくれますかっ…!」
「分かるっ…!ウチもこの変人野郎に日々振り回されとるからな!苗字の苦労は痛いほど分かるで!!」
ガシッと互いに手を取って頷き合う私と猿柿副隊長に酷いっスねぇ、と呟く喜助さん。
私としては良い幼馴染だが、猿柿副隊長からすれば勝手に隊首室を改造したり変な開発したりと…なかなか苦労するものがあるのだろう。
副隊長とは、隊長の補佐役。
猿柿副隊長の言う通り、どこの副隊長もきっと色々な苦労をしているのだ。
「はい、治りましたよ名前さん。」
「ありがとうございます。さすが喜助さん、仕事が早くて助かります!」
「いいえ。また調子が悪かったら何時でも持ってきて下さいね。」
「わかりました。」
もう一度お礼を言って、装置を再び足首に付ける。
途端に自分の霊圧が身体の中に吸い込まれる感覚がして、思わず頬を緩めた。
「ホンマに苗字の霊圧消えとる!」
「体の動きは遅くなるんですけど、これないと更木隊長に鋒突きつけられるんで。」
「そんな奴が隊長やっとる時点でアウトやわ。」
「それは本当に、そう思います。」
大きく息を吐けば、猿柿副隊長は私の頭をよしよしと撫でてくれました。
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