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自覚してみれば簡単に
おなまえは?
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ぐぬぬぬっ…と手の中にある筆を力いっぱい握る。
こんなにイライラするのは久しぶりだ。
「お昼…?もちろん、一緒に食べようか。」
そう言って惣右介が微笑めば周りの女子から一斉に黄色い悲鳴が飛ぶ。
これだから女ってやつは。
心の中でそんな事を思っていれば、いつの間にか目の前にはムカつく笑顔をした惣右介が立っていた。
「苗字さん、先生がお昼を食べ終わったら顔を出せって言っていたよ。」
「っ……あっそ。」
「随分とイラついているね。まだ離れてから3日目なのに…もう限界かな?」
周りに聞こえないくらいの小さな声で言われたその言葉に冗談じゃないと立ち上がる。
毎度そうやって試すようなことばっかり。
性格が悪いにも程がある。
「お気遣いどうもありがとう、藍染君。それより女の子たちが待ってるんだから早く行ってあげたら?」
「!…強情だな。」
「それはコッチの台詞。」
少し困ったように眉を下げる惣右介を放置して、そのまま教室を出る。
すると丁度お昼に行こうとしている大江君を見つけたため、その襟元を思いっきり引っ張ってやった。
「っ…!?」
「大江君みっけ。」
「えっ…苗字先輩っ…?」
「お昼、一緒に食べよ。」
「は…?」
私からのいきなりのお誘いにポカンと口を開けて固まる大江君。
だがもちろんそんなこと気にしない私は状況を理解出来ていない大江君の腕を掴み、そのまま食堂に強制連行してやった。
「…聞きましたよ、藍染先輩と仲違いしたって。」
「しらん。」
「お互い名字に敬称までつけてるって、霊術院中で噂になってます。」
「だから、しらん。」
「喧嘩ですか?それとも本当に別れたとか?」
「…そもそも付き合ってないって言ってるでしょ。」
余計なことばかりペラペラと喋る大江君を睨みつければ相手は呆れたように息を吐く。
私のこと好きって本当は嘘だったのでは?と思えるその様子に眉を寄せれば相手はチラリと視線をズラして再び大きくため息をついた。
「藍染先輩からの圧が怖いんですけど…。早く仲直りしてくださいよ大人気ない。」
「アッチが謝るまで絶対謝らない。」
「…ならせめて俺は巻き込まないでください。俺いつかあの人に刺されそうで怖いです。」
「何言ってんの。あの外面だけはいい惣右介がそんなことするわけないでしょ。」
「(藍染先輩がどんな目で睨んでいるか知らないからそんな事が言えるんですよ苗字先輩…。)」
「この2日間いろんな奴に声かけられて正直迷惑してたんだよね。だから、たまたまでも大江君がいてくれて良かった。」
「!…俺、今少しだけ藍染先輩に同情しました。」
「え?」
「俺以外にそんな顔したら食われちゃいますよ。」
危機感持ってください、なんて言って味噌汁に口をつける大江君に首を傾げる。
大江君相手なら負ける気しないけど。
そう呟けばそういう事じゃない、と怒られた。
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