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おなまえは?
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「惣右介。」
私がそう呼べば惣右介本人だけでなく、何故かその周りにいる他の院生までもが振り向く。
私達がお互いの名前を呼ぶようになって早1ヶ月…なかなか呼びなれなかった名前にも慣れてきた私を困らせているのは周りのこの反応だった。
「別に呼び方が変わっただけなのに…なんでこんなに注目されなきゃいけないんだろうね。」
「僕達の関係は微妙な位置で成り立っていると思われているからね、変化があったのかと気になるのは人の性だよ。」
「微妙な位置…?」
「あぁ、名前は気にしなくていいよ。僕達は僕達だけの距離感ってものがあるんだから、他の人達の意見なんて必要ない。」
「ん…まぁ、それもそうか。」
惣右介の言葉に頷きつつも今日のお昼を受け取る。
相変わらず混んでいる食堂だけど、私達が席を探そうとすると何故か人が避けていく。
霊術院に入ってから続くこれも、なんだか今考えると不思議だよな。
「…怖がられてるのかな?」
「畏怖の念、というより畏敬の念だろうね。」
「畏敬ね…同じ死神を目指してるだけなのに、そんな事思う必要ある?」
「僕達にはなくても彼らにはあるって事さ。」
「…まぁ、なんでもいいけど。」
いつの間にか空いた席に座る。
当然のように真隣へと腰掛ける藍染に、何故いつも向かい側に行かないのかと眉を寄せるのも既に恒例化してしまった。
「惣右介、育ち盛りだから人参あげるよ。」
「ダメだよ名前、それくらい食べれるだろう?」
「かわりに卵食べてあげるよ?」
「残念だけど僕が苦手なのは茹でた卵だから目玉焼きは食べられるよ。それくらい知っているだろう?」
「知ってるけど…知らない。」
「好き嫌いすると強くなれないよ。」
「いやそれ関係ないから…!」
人参を自分の箸で掴んで私の口に運ぼうとする惣右介にブンブンと首を振る。
とうとう実力行使にでやがったな、なんて思いながら拒否する私にまたもや周りの視線が突き刺さった。
なんだか最近、ますます見られている気がする。
「…これが、畏敬の念…?」
「みたいだね。(本当はわざと僕達の仲の良さを見せつけているからなんだけど…その辺に関しては相変わらず鈍感だな、名前は。)」
「(なんか違う気がするんだけどなぁ…。)」
気の所為だろうか?
そんな事を考えていた私の口に惣右介が人参を突っ込むまで後10秒。
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