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模擬戦闘訓練 2
おなまえは?
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先程まで生徒達がいた場所に降り立てば、彼女はチラリとコチラを見る。
どうやら思ったよりも疲れているらしい。
そう思って近くまで歩いていけば、寝っ転がっていた彼女がゆっくりと起き上がった。
「手強かった…。」
「…だろうな。」
「事前に作戦練ってから戦う所とか消太そっくり。」
「それは対ヴィラン戦の基本だろうが。」
「そうだけどさぁ…10人で一斉にかかってくると思ってたから、結構やりずらかった。」
そう言って息を吐く彼女の身体を見る。
何回か攻撃を受けていたが大きな怪我はない。
それから念の為にと顎を持ち上げて首にも怪我がないかと確認すれば、相手は心底不服そうな顔で俺を睨みつけた。
「ケガしてたら言うよ。」
「念の為だ。」
「心配性だなぁ。」
「…あんまり生徒たちをからかうなよ。」
「!」
俺の言葉に勢いよく振り向く名前と目が合いそうになって、自分もフイッと顔を逸らす。
思い出すのはモニター越しでも分かるくらい顔を近づけた彼女と、赤くなる切島の顔。
上鳴は俺がいないからと言って演習中にコイツを口説こうとするし…。
「はぁっ…。(まさか自分が生徒相手に嫉妬するとは思わなかったな…。)」
「?(消太、なんか不機嫌…?)」
「…もう1チーム、いけそうか?」
「あぁ、うん。」
「言っとくが…単純な攻撃力だけで換算したら次のチームのが圧倒的に上だぞ。」
「やっぱり。エンデヴァーさんの息子っぽい子いなかったし体育祭で優勝したって子もいなかったから。」
“そうじゃないかなぁって思った。”
自分が持っていた飲料ゼリーを開けて、疲れたように笑った彼女の口に突っ込む。
猫化の個性はまだしも、パワー増強型はかなりのエネルギーを消費する。
自分の生徒達が健闘する姿に嬉しさを感じていた反面、無理した彼女が倒れないか心配していたのだ。
「美味しい。」
「まだあるぞ。」
「ありがとう。…でもなんでこんなの持ち歩いてるの?」
「……一応だ。」
本当はご飯代わりなのだけど、それを言ったら彼女は確実に怒るだろう。
腹が減っては戦ができぬ。
ご飯を食べない俺を見る度に彼女が叫んでいた言葉を思い出して俺の頬が緩む。
「無理はするなよ。」
「ふふっ、分かってるって。」
「ならいいが…無理したら止めるぞ。」
「はいはい。そんなに心配しなくても、無理なく勝ってみせますよ相澤センセー?」
「……あぁ。」
“その呼び方も悪くない。”
思わず出た俺の本音に、彼女は自分も同じことを思っていた…と笑って見せた。
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