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模擬戦闘訓練
おなまえは?
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窓から差し込む光に眉を寄せる。
珍しく夢も見なかった。
そう思って視線を横にズラせば、俺の髪をクルクルと弄ぶ彼女がニコリと笑った。
「…なんで人間になってんだ。」
「だって消太起きないし、暇だったんだもん。」
「……はぁっ…。」
時計を見れば、本来の起床時間まで残り10分。
いつもは夜中に何度も起きるのに…これも彼女が一緒に寝ていた効果だろうか。
「(だとしたら俺も随分と単純になったもんだ…。)」
「消太?」
「…なんでもない。」
「ふふっ、相変わらず寝起き悪いね?」
「そういうお前は昔から寝起きだけは良かったな。」
「起きてからダラけるのが好きなの。」
そう言って再び布団に潜る彼女の腕からするり逃れてベッドから立ち上がる。
いくら高校生の姿だからと言っても、人間の姿の彼女と一緒の布団に入れるほど俺の理性は強くない。
後ろでは当の本人がブーブーと文句を言っているが、俺としては少しくらい危機感を持って欲しいというのが本音だ。
「それと、今日は俺も色々仕事があるから午前中は校長の所で時間潰してろ。」
「え、あの人の話長いから嫌だ。」
「ワガママ言うな。」
「山田は?香山先輩は?」
「仕事に決まってんだろ。…あと名前、学校内ではちゃんとヒーロー名で呼ぶんだぞ。」
「消太も?」
「…俺は相澤でいい。」
「あいざわ!!」
“そんなの入学式以来呼んでないよ!” と何故かはしゃぐ彼女を横目に身支度を始める。
それから昨日のうちに洗濯しておいた彼女のヒーロースーツを本人へと差し出した。
「持ってけ。午後から必要になる。」
「午後…?なんでヒーロースーツ?」
「2週間後に仮免試験を受ける生徒達の相手をしてもらう。今日は俺の担当クラスな。」
「2年生相手に戦えるの!?なにそれ楽しみ!」
「いや、1年だ。」
「は…?」
そんなことあるのか、とでも言いたげな目を向けてくる彼女にコクリと頷く。
まぁ本来なら2年になってから行うカリキュラムだ。
それを順当にこなしてきた彼女が驚くのも無理はないだろう。
「言ったろ、色々ゴタゴタした。何があったかは校長にでも聞いて把握しておけ。」
「さては消太くん、説明するのがめんどくさいな?」
「俺は忙しい。」
「ケチレイザーめ。」
「とにかく、その色々のおかげで1年も成長してる。今あいつらは仮免試験のための必殺技を練ってるが、それを試す機会も必要だろ?」
そう言って俺がニヤリと笑えば、彼女は自身のヒーロースーツを握りしめて頷く。
その目はキラキラと輝いていて、きっと自分の教え子たちは今日コイツにボロクソにされるのだろうな…と心の中で呟いた。
「消太の教え子とか楽しみだなぁ!」
「程々にな。」
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