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そういう奴だった。
おなまえは?
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次の日、とりあえずこれを来てろと言われ差し出された雄英高校の制服に袖を通す。
予備の制服らしいが、サイズはピッタリだ。
「消太、懐かしい?」
「…あぁ。」
くるりと回転しながら自分の姿を見せれば、相手は顔を背けながら頷く。
なんだなんだ、可愛すぎて直視できないってか。
初心な所は変わらないのね!
「ウブレイザーだったもんね!」
「言っておくがなんでもレイザー付ければ良い訳じゃねェからな。」
「いだっ…!」
ゴスっと頭上に落ちた手刀に顔をしかめる。
あれ、なんか力強くなってない?
ちょっと優しさ軽減してない?
昨日の夜の可愛い消太君はどこへ行ってしまったの。
そんなことを思いながらその黒い後ろ姿に大人しくついていく。
「(消太怒らすと怖いしね、うん。)」
「学校の中では大人しくしてろ。」
「いえっさー。」
「勝手に出歩くな。余計な興味持つな。」
「いえっさー。」
「それから他の生徒にーーー。」
「構うな。俺だけ見てろ?」
「!?」
お前は何言ってんだ、と言いたげな目で睨まれてケラケラと笑う。
注意の仕方がまるで束縛男みたいな言い方だったから、ついからかってしまった。
「大丈夫だよ、これでも私ってばしっかり者だよ?」
「敵の個性も把握してないくせに突っ込んでココに来てるやつの言葉を信用出来ると思うか?」
「そ、それはそれ。これはこれ!」
「少しは反省しろ。」
「私は消太の生徒じゃないのにー!」
“これでも首席だぞ!” と口を尖らせれば、消太は何年前の話だと笑う。
その笑いは明らかに他意が含まれていて、なんだコイツ私の知ってる消太より性格歪んでるぞと呆れてしまった。
それに消太にとっては12年前でも、私にとって学年首席は今の出来事だ。
馬鹿にされる筋合いはない。
「消太だっていつも負かしてる!」
「今は負ける気もしないがな。」
「どーだか!」
「なんならやってみるか?」
「受けて立とうじゃないかウブレイザー!」
「…子供相手に本気でやる訳ないだろうが。」
プイッと顔を背けてため息をつく消太に、ブーブーとブーイングをする。
せっかく大人になった消太と手合わせできるチャンスだったのになぁ。
つまらない。
「きっとすっごい強くなってんだろうな…。」
「…まぁな。」
そう呟いた消太が大人の顔をして前を見る。
自分1人で大きくなったような顔しやがって。
合理性ばっかり求める消太が雄英に3年間通えたのは私のフォローがあったおかげでもあるんだぞ。
そんな嫌味を込めて、その丸まった猫背を思いっきり引っぱたいてやった。
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