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新生活
おなまえは?
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「とりあえずここで生活しろ。」
そう言って案内されたのは雄英高校の中にある見たことの無い建物だった。
12年経つとこんなものが出来るのか…なんて思っていれば、いいからついて来いと急かされる。
「ここ最近色々とゴタついてな、この秋から雄英も全寮制になったんだよ。」
「えっ…!?全寮制!?満員電車乗らないの!?24時間学校にいれるの!?なにそれ羨ましい!!」
「…お前ならそう言うだろうと思ったよ。」
「当たり前じゃん!ていうかゴタついたって何?問題起こした生徒がいたの?もしかして暴行事件!?」
「分かった分かった…それについては後で話してやるから今は黙ってついてこい。」
面倒くさそうに階段を上る消太に、こういう所は12年経っても変わらないんだなと笑う。
…12年経てば変わるものの方が多いのに、なんて思ってしまうのは仕方の無い事だと視線を上げた。
後ろ姿をまじまじ見れば、私の知っている消太よりも長い髪が揺れている。
さっき抱えられた時には筋肉の付き方が全然ちがうな、なんて思ってしまったし。
…なんだか私だけが立ち止まっているみたいで、心の中がムズムズした。
「この建物自体が教師寮だ。で、このフロアは俺しか使ってないからお前は俺の部屋の隣を使え。
あと他の教師陣には明日説明するが、しばらくお前の面倒は俺が見る事になる。」
「分かった!あと一つ質問してもいい?」
「なんだ?」
「なんで消太が雄英の教師寮に住んでるの?」
「!…俺が雄英の教師だからだよ。」
「……フッ…!」
“俺が雄英の教師だからだよ。” という言葉に、笑っちゃいけないと思いつつも堪えきれずに空気が漏れる。
その瞬間、消太の眉に深いシワが刻み込まれたのが見えて慌てて真顔に戻るが時既に遅しだった。
「言っておくが、俺だけじゃないからな。」
「え!?なに!誰!?」
「…明日分かる。」
「そこまで言ったなら教えてよケチー!」
「言わん。」
「ケチ!ケチレイザー!」
「なんとでも言え。」
私のブーイングを完全シャットアウトした消太は近くの扉を開ける。
中にはベッドと作業机…クーラーと必要最低限の家具がしっかり揃っていて、さすが雄英クオリティーだと感心する。
今まで寮生活なんてしたこと無かったし、なんだかワクワクしてしまうのは仕方の無いことだ。
「明日は午前中に教師陣紹介して午後から買い物に行く。」
「!買い物…?」
「…いつ戻れるかも分からんからな、服とか色々買い揃えなきゃ困るのはお前だぞ。」
「あ、そっかぁ。楽しみ!」
新しい部屋に、新しい洋服。
なんだか生まれ変わったみたいだね!なんて笑えば、消太は少しだけ顔を曇らせてから頷いた。
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