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その時が来る
おなまえは?
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まだ日も出ていない3時過ぎに目が覚める。
久しぶりの前線だからと緊張しているのだろうか?
それとも単にアドレナリンが出過ぎているとか?
「まだ寝てろ…。」
「あれ…消太起きてたの?」
「今な。」
「あと1時間は寝れるかな?」
「そうだな…。」
きっと目は閉じたまま、必要最低限の思考で返事をしているであろう消太に思わずクスクスと笑う。
こんなユルユルな消太も前線だと機敏になる。
そのギャップに負け続けてきた私としては30歳になった消太の戦闘を間近で拝めるなんて願ったり叶ったりな訳で。
逆に元の時代の消太をカッコよく思えなかったどうしよう、なんて変な不安まで溢れ出てくる。
「(まぁそうなったら消太が30歳になるまで隣で待っていればいいか…。)」
「…余計なこと考えんな。」
「あ、バレた?」
「顔に書いてある。」
「暗くて顔なんて見えないでしょ?」
「見えなくても分かる。」
うそつけ。
そう言いそうになった口を止めて、目を閉じる。
こんな風に大人な消太とゆっくり話せる機会もこれが最後かもしれない。
消太からしたら苗字 名前と話すこと自体、これが最後になるかもしれないのだ。
なら変な言い合いよりも、楽しく過ごしたい。
「という訳で消太、しりとりをしよう。」
「どういう訳だ。」
「イッツァ、エンターテイメント。」
「寝ろ。」
「ろ、ろ、蝋燭男爵。」
「どんな男爵だ、ソイツ。」
「え、そりゃあ…蝋燭で出来てる男爵?」
「…蝋人形の男爵か。」
「エンデヴァーが天敵だろうね、きっと。」
「溶けるからな。」
「…え、これ何の話?」
「お前が始めたんだろうが。」
“満足したなら寝ろ。”
そう言って布団を被り直す消太に仕方がないかと布団の中に潜り込む。
それから消太のお腹の横に丸まれば、その大きな手が私の頭を優しく撫でた。
「消太、寝坊しちゃダメだよ。」
「いいから寝ろ…。」
「ん…おやすみ。」
「…おやすみ。」
重くなってきた瞼を閉じて、自分のすぐ隣にある温かさに頬を緩める。
なんで私だけこんな時代に来てしまったのだろうと辛かった時もあった。
若くして死ぬという事実を知って落ち込んだ気持ちも正直あった。
けど、結果としてこの時代に来れてよかった。
私はこの時代で沢山のことを学べ、自分が何をするべきなのかを理解出来たから。
「(だから、ありがとう。)」
そのお礼は誰に宛てたものだったのか、私自身にも分からなかった。
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