↓↓
お姉さんは考える
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
過去に帰るという目標がふりだしに戻ってしまった事で私は再び暇人へと成り下がった。
夏休みも終わり学校が始まったことで、消太やひざし達も日々忙しそうに働いている。
ヒーロー科の1年生達も仮免許を取った子達はインターンの準備をしているし、落ちた組も喧嘩をしながら補習に通っている。
・・・つまり、暇人は私だけなのだ。
「だけど毎日グダグダしてたら鈍っちゃうし私も何かやりがいのある仕事をしたい。」
「…そうか。」
「いやいやいや…そうか、じゃないじゃん!」
「他になんて言って欲しいんだ。」
「んー…ならこの仕事を任せよう、みたいな?」
「…お前は雄英の保護下にいるだけであって教師でも何でもないだろうが。」
「それはそうだけど…。」
「暇なら校長の話し相手にでもなってこい。」
そう言ってさっさと出ていってしまう消太に冷た過ぎないかと眉を寄せる。
忙しいのも分かっているし、自分が今の雄英で出来ることがほとんど無いことも理解している。
けど、暇なものは暇なのだ。
「はぁっ…。元の時代に戻った時に困るのは消太じゃなくて私なのにさぁ…。」
「あら、それならずっとこの時代にいたらいいんじゃない?きっと彼…相澤君が責任を取って一生面倒見てくれるわよ。」
「おっと…香山先輩ってば盗み聞きですか?」
「たまたま聞こえちゃったのよ。それよりも…実際どうなの?この時代に残るっていう選択肢はない?」
「!…ないですね。」
「あら、意外ね。」
「そうですか?」
「えぇ。名前ってばこの時代の相澤君に随分と入れ込んでいるし、てっきりこのまま残ってくれるのかと思ってたのよ。」
“だから残念。” と笑う香山先輩に相変わらずそういう所は意地悪だなぁと眉を下げる。
きっと香山先輩は分かっている。
私が元の時代に戻りたいと思いながらも心の中では今のこの時代の消太を大切に思っていることを。
だけど、私がこの時代に残ることは出来ない。
それは私のためであり、消太のため。
「私は本来、ここにいるべき人じゃないですから。」
「!…少し意地悪言い過ぎちゃったみたいね、ごめんなさい。」
「いえ、香山先輩に悪意がないことくらい分かっていますから大丈夫ですよ。」
「そう?」
「はい。それに私が香山先輩の立場だったら私に元に時代に帰らないでってお願いしてますもん。」
“だから平気です。”
そう言って笑えば、香山先輩は少し何かを考えてから黙ったまま私の頭をクシャリと撫でた。
1/2ページ