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過去からやってきた
おなまえは?
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静かな部屋に寝かされている彼女に手が震える。
信じられない。
信じたくない。
その一心でここまで来たのに。
いつも自分の周りでうるさいくらいに騒ぐ彼女は、ベッドに静かに横たわっていた。
「っ……。」
「イレイザー…。」
「……嘘だろ…、そんな訳ねぇ…よな…。」
喉が締まり、思うように息ができない。
いつもは少し赤みを帯びている彼女の頬に手を伸ばし、その冷たさに視界がぐらりと揺れた。
…また、あの時の夢だ。
10年も前の記憶。
こんな自分のことを誰よりも愛おしいと笑ってくれた彼女が…ヴィランに殺された日の悪夢。
後ろに立っているマイクが部屋を出ていく。
あぁ、そうだ。
1人になった俺は、こう呟く。
「…愛して、たんだ…、…名前……。」
返事はない。
固く閉じられた瞳に、俺が映ることもない。
…涙は出なかった。
「……。」
いつもより冷たい彼女の唇に自分のソレを優しく落として、そんな彼女に背を向けた。
この扉を開けば、この悪夢から目覚められる。
何度も見ている悪夢だからこそ分かるのに。
…それでも毎回、決意が揺れる。
このまま扉を開けなければ、彼女のいない世界で目覚めることも無いのだと。
こんな無意味な葛藤を10年も繰り返す俺を見たら、彼女はヒーローなのにダラしないと笑うだろう。
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