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君への歌を
おなまえは?
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鐘の音がなる。
今日の仕事もこれで終わりだと小さく息を吐いて自分の手を思い切り叩いた。
「今日はここまで。各自復習は忘れないように、来週の初めに実技試験をします。」
《はいっ!》
「じゃあ、良い週末を。」
そう私が言い終われば一気に立ち上がりザワザワと各自帰り支度を始める。
霊術院の教鞭を執って何年も経つが、この瞬間には毎回溜め息がこぼれる。
この子達はまだ前線を知らない。
だから緊張感がなくなるのは仕方の無いことだ。
…仕方の無い事だけど、ずっと前線で戦っていた私にはそれが違和感でしかなかった。
「先生!今日の授業の事でご相談があって!」
「!あぁ…、なに?」
「先程の鬼道のーーーー。」
「名前。」
「!…あっ藍染隊長!?」
「!(…また来たな、暇人隊長め…。)」
「あぁ、まだ生徒と話していたんだね。すまない、邪魔をしてしまったかな?」
そう言ってニッコリと藍染隊長が笑えば私に質問していた女生徒は、顔を赤らめながら首を横に振った。
…なんて分かりやすい憧れ。
まぁ目の前に護廷十三隊の隊長様が現れたらそうなる気持ちも分からなくはないが…。
「苗字先生は藍染隊長と仲が良いんですね!」
「…まぁ、同期だからね。」
「そうだね。名前が護廷十三隊にいた時には同じ隊だったし、今は教鞭を執る者同士だし…腐れ縁というやつかな?」
そう言って笑う藍染隊長に心の中で舌打ちをする。
腐れ縁なんて言ってるが…半分はコイツが仕組んだ結果だということを私は知っている。
「それで、質問は?」
「あっ、いえっ!もう大丈夫です!」
「えっ、ちょっとーーー。」
「苗字先生も良い週末をっ!」
余計な一言を残して去っていく女生徒に息を吐く。
とりあえず教室から出よう。
じゃないと次はこちらをチラチラ見ている他の生徒達から質問責めにあいそうだ。
「ん、どうしたんだい?」
「…とりあえず出ますよ、ここだと話せないこともあるでしょうから。」
「!あぁ・・・そうか。」
“ 名前は人気者だからね。” と見え透いたお世辞を言うソイツをスルーして、私はそのまま教室を後にした。
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