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犬もくわない。
おなまえは?
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ここは護廷十三隊、十二番隊隊舎。
技術開発局も併合しているこの隊舎の扉を1人の女性が叩いた。
「はいはい…ってなんだ、名前さんか。」
「なんだって何さ。と、それよりマユリは?」
「隊長なら自分の部屋っすけど…ていうか今日機嫌最悪ですよ。朝から何やらかしたんスか?」
「あー…まあ、色々?」
「勘弁して下さいよ…おかげで朝から局内の空気が最悪でーーーー。」
「はいはい、とりあえずお邪魔しますよー。」
そう言って困り顔の阿近を横目にそそくさと隊舎内に入り込む名前と呼ばれた女性。
そのまま奥へ歩いていく姿を見て、周りの隊員達は慣れた様子で頭を下げる。
もちろん1人で行動させるわけにはいかないと後から阿近もついていくが、その女性はそんな事もお構いなしといった様子だ。
「相変わらずだなぁ、ちゃんと掃除してる?」
「一応は。ストッパーだった名前さんが居なくなってからだいぶ手こずってますけどね。」
「大変だねぇ。」
「いきなりでしたからね。」
「文句ならマユリに言ってよ。私は続けるつもりだったのにアイツが勝手に除隊届け出してたんだから。」
“ほんと自分勝手…。”とぶつくさ文句を言うその人に阿近は小さくため息をつく。
あの人に対してそんな風に文句が言えるのが羨ましい。
おそらく彼女以外が言えばすぐにでも隊長の実験台にされるだろう。
「と、ついたついた。ありがとねついてきてくれて。」
「!あぁ、いえ。」
「あんま働きすぎないようにね。」
「それは隊長に言って下さいよ。それじゃあ。」
そう言って阿近が頭を下げればその女性は“あんまり期待しないで。”と笑って部屋の中へと入っていった。
「…これで隊長の機嫌もマシになるか。」
部屋に入ればすぐに薬品独特の匂いが鼻に入ってくる。
この匂いも懐かしいな、なんて感じつつ部屋の奥へと入っていけばその人は丁度なにかの書類に目を通している所だった。
「誰だネ?今は部屋に入ってくるなと伝えてあったはずだヨ。」
「それは知らなかった。」
「!……まさか局まで来るとはネ。」
「仕方ないでしょ。どうせ忙しいとか何とか言ってしばらく家に帰って来ない気だっただろうし…ってネムは?」
「出掛けてるヨ。」
書類から一度あげた視線を再び落として会話をするその男にどうしたもんかと眉を寄せる。
何もそこまで怒る事ないじゃないかと私的には思うのだが、相手はあの涅マユリだ。
そう考えて近づいていけば、相手はまたチラリとだけコチラに視線を寄越した。
「マユリ。」
「…そんな猫撫で声を出したってダメだヨ。」
「朝は少し私も言い過ぎたけど、マユリだってもう少し私の事考えてくれてもいいんじゃないの?」
「お前は、私のモノだ。何故私のモノなのにお前の都合など考えなければならない?」
「なら、マユリは私のモノだから私もマユリの都合考えない。それでいいんだね?」
“どうだ!”とマユリの目の前でそう言い放てば、相手は暫く考えた後ようやく手元にあった書類を机の上へと置いた。
その様子を見て勝利を確信した私に、チョイチョイと手招きをするマユリ。
“まぁ今謝るなら許してやらんことも無い。”とすっかり油断した私が近づけば、次の瞬間には机に上に押し倒されてしまっていた。
「全くもって不愉快だヨ…何故か分かるかネ?」
「わ、わかんない。」
「お前が私の言う事を聞こうとしないからだヨ。それとも口も聞けないように剥製にしようかネ?」
「出来るもんならしてみれば?」
「…相変わらず生意気だネ。」
「そんな私も好きだもんね、マユリ。」
「フンッ・・・分かってるじゃアないカ。」
そう言って私を押し倒していた力を緩めるマユリに思わず頬が緩まる。
こうして近くで見るとヘンテコなお化粧をしていても整っている素顔が垣間見えて、少し特別感を感じるのだ。
「…緩みきった顔で何時までも寝そべってたら仕事の邪魔だヨ、名前。それとも本当に実験台にされたいのかネ?」
「実験台は嫌だけど、マユリのためなら死んでもいいよ?」
「!…寝言は寝て言うもんだヨ。」
そんな言葉と一緒に降ってきた優しい口付けに、やっぱり頬の緩みはしばらく治りそうもありませんでした。
(・・・で、今回の喧嘩の原因はなんだったんですか?)
(あー、十一番隊が人手不足だから1日だけ書類整理に来れないかって弓親先輩に頼まれて。)
(あんな野蛮な奴らの隊舎に名前をやれる訳ないヨ。)
(これでも元十一番隊だったから大丈夫って言ってるんだけどね、マユリ心配性だから。)
((隊長、名前さんに対してだけは過保護だからな…。)とりあえずアレっすね、夫婦喧嘩は犬も食わない。)
END.
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