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監禁生活3日目
おなまえは?
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カーテンから差し込む光に目を覚ます。
そのまま辺りを見回せば、相も変わらず狭い部屋の中だと分かり小さく息を吐いた。
今、私が1番怖いのはココが私の居場所だと錯覚し始めている自分だ。
“ 名前、起きたか。”
「!…はい、起きました。」
扉の向こうから声が聞こえ、それに返事をすればガチャリと開く部屋の扉。
その扉から顔を出したその人に、私の頬は自然と緩まった。
「おはようございます、弔さん。」
「…ん。」
私の目の前でしゃがみこみ、私の頭を撫でる弔さん。
まるで私がソコに存在していることを確かめるように、頭から頬までスルスルと手を滑らせた。
「ンっ…とむらさんっ…?」
「!…お前に会わせなきゃいけない奴らがいる。」
「!会わせなきゃいけない人…?」
「俺の隣から離れるな。死にたくないだろ…?」
「は、はいっ…。」
いつもより冷たい弔さんの視線にビクリと身体を跳ねさせれば、満足したように立ち上がる弔さん。
いつの間にか足枷は外されていて、職人技みたいだ…なんて思いながら私もゆっくり立ち上がった。
《!》
「!わっ…。」
いつもの扉を開けたらそこには黒霧さん以外にも何人かの人がいて、コチラをジッと見つめていた。
ド平凡に生きてきた私でも分かる…裏の世界で生きてきた人達の冷たい空気。
思わずギュッ…と弔さんの袖口を掴めば、弔さんは私の頭を優しく撫でた。
《!?》
「黒霧。」
「名前さんの朝食ですね、今お持ちしますよ。」
「あ、ありがとうございますっ…!」
黒霧さんにお礼を言って頭を下げればニッコリと笑いかけられる。(…うん、たぶんあれは笑いかけてる気がする。)
すると弔さんは私の腕を引っ張ってカウンターの椅子へと腰を下ろした。
「名前はココ。」
「は、はいっ…。」
弔さんに誘導されて彼の隣へと座る。
その間も周りからの視線は凄くて、たぶん穴があいてしまいそうな視線とはこういうものだろうと自分の中で呟いた。
「アナタが名前ちゃんですかァッ…かぁいい!かぁいいですね名前ちゃん!!」
「えっ…?」
ヒョコッ…と近づいてきたセーラー服の子にビックリして固まる。
女子高生に可愛いと言われても…なんて能天気なことを考えていた瞬間、目の前で何かがキラリと光った。
「!?」
それが刃物だと気がついた時には手遅れで、何も出来ずに固まったままの私。
こんなアッサリ死んでしまうのか、なんて変な覚悟をした瞬間に後ろから伸びてきた手がその刃物をガシリと掴んだ。
「おいっ、手出すなって言ったろ。」
「!フフっ…可愛いからつい殺したくなっちゃいまシタ!でも弔くんが怒るならやめておきマス!」
「っ……。(いや、何コレっ…!?)」
ボロボロ…と何故か崩れる刃物と、そんな事をお構い無しに会話をする弔さんと女子高生。
周りの人達も半分呆れ顔でコチラを見ていて…、ココに来て初めて “住む世界が違う。” と思ってしまった。
「おや、大丈夫ですか?名前さん。」
「だ、大丈夫デスっ…。(いやもちろん全く大丈夫じゃないけどね本当は!!)」
「トガさん、彼女は死柄木 弔の大切な方ですから傷つけてはいけませんよ。」
「ハーイ。でもっ!名前ちゃんっ!かあいいから仲良くして欲しいデス!」
“トガヒミコ、トガちゃんって呼んで下サイ!”とコッチに笑いかけるその子にコクコクと頷く。
さっき殺されそうになった相手と仲良くできる自信ないけど、頑張るよ…命のために。
「!そういえば弔さん手っ…!!」
「あ…?」
「いいから見せてくださいっ…!刃物を素手で掴むなんてダメですよ危ないっ!!」
そう言って掴んだ彼の手には傷一つついていなくて、驚いた私に何故か彼も驚いていた。
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