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監禁生活2日目
おなまえは?
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ポタポタ…と落ちる雫をタオルで乾かす。
まさか監禁されているのにお風呂に入れるなんて思いもしなかった。
そんな事を考えながら扉から出れば、ずっと外で待っていたのであろうその人が私を見て立ち上がった。
「…髪が濡れてる。」
「あ、洗いましたからっ…。」
「ん…そうだな。」
そう言いながら私の髪を手に取る。
そしてそのままそこに口付けを落とす姿に生粋の日本人である私は身体を固めることしか出来なかった。
「(この人本当に毎度近いんですけどっ…!パーソナルスペースとかないのかなこの人っ…!!)」
「…黒霧の奴にお前の朝メシ作っとけって言っておいたから行くぞ。」
「くろ、ぎりっ…?」
クイッ…と腕を引かれ、廊下を進む。
ふと視線を落とせば、その人の手は何故か人差し指だけ私の腕を掴まずに立てられていた。
その不格好な手を、私は見たことがある気がする。
そんな事を考える私を連れて、その人は突き当たりのドアをガチャリ…と開けた。
「…おはようございます、名前さん。」
「!お、おはようございますっ…。」
「黒霧、コイツの飯出せ。」
「今お持ちしますよ死柄木 弔。」
「しがらき…とむら…?」
その名前はストンっ…と私の中に落ちてきた。
きっとこの綺麗な人の名前だ。
そう思ってその人の方を向けば、相手は何かを探るように私の顔をジッと見ていた。
「(しがらき とむらさん、っていうんだ…。)」
「…チッ……。」
「!?(いきなり舌打ち!?私なにかしたっ!?)」
「死柄木 弔、名前さんが怖がりますよ。」
黒霧さんと呼ばれた人がそう言えば、その人は不機嫌そうに自分の首をガリガリと掻いた。
掻くことが癖なのだろうか?
目元や首筋は引っかき傷で覆われていてひどくいたそうだ。
思わずジッと見つめてると、私の視線に気がついた死柄木さんは “見るな。” と少しだけ冷たく呟いた。
「ぁっ…ごめんなさいっ…。」
「死柄木 弔からアナタの朝食はパンにしろと言われていたのでトーストを焼きました。」
「!あ、の…どうして私の名前とか、朝食の好みとか知っているんですか…?」
「…私は、死柄木 弔に聞いたんですよ。」
「え…と…しがらきさん、は…どうして?」
「…弔。」
「!…とむら、さん…?」
そう呟けば相手はチラリとだけコチラを見て、またフイッ…と違う方を向いてしまう。
なるほど、聞くなってか。
なんとなく答えてくれるのではと思っていた分、残念ではあるが仕方ない。
そう思いながら、私は黒霧さんに出してもらったトーストや目玉焼きをゆっくりと食べ始めた。
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