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私の世界
おなまえは?
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街中の大きなスクリーンに、私の写真が映し出される。
“未だ行方不明。” という文字とその写真のコラボに自身が掛けていたメガネをクイッ…と上げた。
「なんでニュース番組って写真写り悪いやつばっかり使うのかな…。」
「知るか。それより早く行くぞ、オヒメサマ。」
「!待ってよ荼毘さんっ…!」
適当に買った伊達メガネをかけて、茶色く染めていた髪を黒色に戻して…。
それだけで、周りを歩く人達は私があのニュースで言われている行方不明者本人だと気が付かない。
…いや、というより街を歩いているほとんどの人が私のニュースを他人事だと捉えてロクに見てもいないのだろう。
「世知辛い世の中だよね。」
「ババアか。」
「え、まだ20歳だよ?」
「実年齢じゃなくて中身。」
「あー…それは否めない。ちなみに好きな飲み物は煎茶と番茶です。」
「興味ない。」
「嘘です、ミルクティーです。」
「なんで嘘ついたんだ、今。」
そんな事を言い合いながら大通りから外れ、入り組んだ裏通りをスルスルと歩いていく。
いつも思ってたけど、この人達はどうして迷子にならないんだろう。
私一人だったら絶対迷子になっちゃう。
「でも私、もう交番で道とか聞けないじゃん?」
「…話が吹っ飛びすぎてて意味が分からねぇ。」
「いや、迷子になった時。」
「迷子になるなよ、まず。」
「もしかしたらなっちゃうかもしれないじゃん!自慢じゃないけど私、弔さんに甘やかされ過ぎて1人で出歩くことも出来ないんだよ!?」
「…本当に自慢じゃねぇな。」
呆れたように息を吐く荼毘さんにクスクス笑って、さっきまで自分が何を考えていたか忘れてしまう。
まぁ、いいか。
そこまでたいした内容じゃないし。
「そういえば、最近トガちゃんとトゥワイス君あんまり見ないね?お仕事?」
「あぁ、仕事だ。」
「また悪いことしてるんだねー。」
「ヴィランだからな。」
「私もヴィランなのかな?」
「…少なくとも一般人ではねぇだろうな。」
「え、そうなの?」
「一般人だったらヴィラン連合のリーダーに溺愛されても喜ばねぇだろ。」
“オヒメサマと違ってな。” と口角を上げる荼毘さんに相変わらず意地悪な言い方をするなぁ、と眉を寄せる。
オヒメサマ呼びは止めて、と言っても直らないし。
「(まぁ意外と私の話聞いてくれるし面倒見いいし、いいお兄ちゃんだけどさ。)」
「あ、それとさっきの迷子の話だけどな…。」
「ん?」
「首のソレ付けてりゃどこにいたってアイツが見つけるから交番は必要ねぇよ。」
自分の首元をチョイチョイと指差しながらそんな事を言う荼毘さんに首を傾げる。
つまり、どういう意味だろうか。
そう思いながら自分の首元を見れば、少し前に弔さんがくれたチョーカーの飾りがキラリと揺れる。
…あれ、嫌な予感がするぞ。
「…荼毘さん、まさかこれに発信機が付いてるなんてそんな事言わない、よね…?」
「……まぁ、俺の口からは言えねぇよな。」
「そこは否定してほしかった…!」
まじかよー!と頭を抱える私を荼毘さんは面倒くさそうに見つめていました。
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