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唯一愛した男の話。
おなまえは?
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久しぶりに主に呼ばれ、その場所に行けば誰かの血が辺りを汚していた。
かなりの量が流れているが、これは何人分なのだろうか?
そう思って立ち止まっていれば、主が “ 名前。”と私の名前を静かに呼んだ。
「…なにか御用ですか?」
「あァ…お前が必要になった…。」
「…嬉しいです、主の役に立てるなら。」
そう言って跪けば、相手はユルユルと口角をあげる。
主の周りには珍しくうるさい奴らがいなくて、こうして2人きりというのも随分と久しぶりだ。
「死穢八斎會の若頭の所に行け。」
「!…それは、裏の世界の…?」
「あァ、奴らと手を組む事になった。トガとトゥワイスも後から向かわせる。」
「見張ればよろしいのですか…?」
「…さァな。お前はお前が正しいと思うことをしてくればいい。」
そう言って私の頭を撫でる主…死柄木弔に、私は小さく頷いてその場を後にした。
「あぁ…あの血のこと聞くの忘れたな…。」
なんて思いながら。
「…死柄木から…?」
「はい、アナタのお手伝いをするようにと。私のことは何でも屋と思ってお使いください、オーバーホール様。」
「……。」
ペコリと頭を下げれば、私の事をジッと見つめる死穢八斎會の若頭…オーバーホール。
その鋭く光る目とペストマスクのせいで見た目は黒いカラスのようだと思った。
「…いらねぇ。帰れ。」
「そうはいきません。私は死柄木弔に言われて来たんです、このまま帰ったら殺されちゃいます。」
「それはお前の都合であって俺の都合じゃない。」
「…分かりました。では上の方たちの雑用をお手伝いさせてください。」
「!…随分としつこいな。」
ギロリとコチラを睨むその人に、ニッコリと笑う。
すると相手は苛立ちをはらすかのように、大きな舌打ちをして椅子から立ち上がった。
「好きにしろ、ただし少しでも余計な真似をしたらお前の首だけ死柄木に送り付ける。」
「!…ありがとうございます。」
もう一度頭を下げて、そのまま部屋を出ていくその人をその姿勢のまま見送る。
とりあえずココに置いてもらうことは出来そうだ。
そう思った私の口角はいつもの主のようにつり上がっていたに違いない。
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