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怪物さん。
おなまえは?
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ねぇ、その顔で笑ってよ。
その顔で顔を赤くして恥ずかしがってよ。
その顔で悲しく泣いて見せてよ。
その顔で、その目で、私を憎いと睨みつけてよ。
いつか居なくなる私を嫌いでいいから覚えていてよ。
「名前。」
そう言って私を呼ぶ焦凍に急いで追いつく。
少しぼーっとしていたと笑えば、彼は少しだけ呆れたように眉を下げた。
「なんだか体育祭終わってから表情が優しくなったね、焦凍。」
「そうか…?」
「うん。緑谷くんのおかげだね!」
「!…そうだな。」
轟 焦凍。
雄英高校ヒーロー科 1年A組。
父は現No.2ヒーロー、エンデヴァー。
個性 半冷半熱。
「今日のヒーロー基礎学なんだろうね!」
「また基礎トレじゃねぇか?」
「なーんだ…まだ戦闘訓練とかがいいなぁ。」
「なら今日帰ったら手合わせするか。」
「!いいのっ?」
「あぁ。」
当たり前だと頷く彼にニッコリ笑う。
この1年で、ずいぶんと心を開いてくれたみたいだ。
「… 名前?」
「!ごめん、またボーッとしてた!」
「最近多いな、それ。…大丈夫か?」
「うん、大丈夫っ!」
「何かあったら言えよ。」
そう呟く焦凍にチクリと痛む心臓。
最近よくあるこの痛みを私はいつも無視をする。
気づかない、気づいてはいけない。
「よォ、名前。」
「!…コッチから連絡するまで会いに来ないでって言ってるでしょ…死柄木。」
「冷てェな。仲間が元気に諜報活動出来てるのか心配してきてやったのにさァ。」
「ヴィラン連合の主犯として顔が割れてるアンタと一緒にいたら支障をきたすって言ってんの。」
“消えて。” という前にガシッ…と掴まれる首。
そのまま近くの壁に叩きつけられた私をソイツは面白そうに笑った。
「お前は先生が可愛がってるから殺さない…だけどムカつくから少しぐらい壊してもいいよなァ…?」
「っ…ぐっ…。」
ギリィっ…と私の首を絞めあげる手は律儀に人差し指だけを浮かしてる。
酸素が思うように入ってこなくなり、意識を手放す瞬間にその手は一気に緩められた。
「っ…ゴホッ…。」
「あァ…可哀想に…少し強く絞めすぎたみたいだ。」
「っ…ふざけんっ…なっ…!」
「…ふざけてんのはお前だよ、名前。」
未だにヒューヒューとする喉に、思いっきり噛み付く死柄木に思わず声を漏らす。
やめてくれ、と叫んでもやめてくれるわけはない。
それが分かっている私は、ただひたすらに声を抑えるしかないのだ。
「っ…ふっ…。」
「…1週間後の林間合宿、そこでお前の仕事も終わりだ。」
“帰ってくるのが楽しみだよ。” と笑っていなくなるソイツの噛んだ跡が私は憎くて仕方なかった。
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