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数年越しの許嫁。
おなまえは?
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昔、親父が1人の女の子を連れてきた。
親父はその子を俺の許嫁だと紹介してきた。
「あ、あの…私っ…、苗字 名前ですっ…。」
「……お前もっ…アイツと同じだっ…。」
「えっ…?」
「っ…お前らの言う通りになんて生きないっ…!二度と俺の前に来るなっ…!!」
「!っ…ご、ごめんなさっ…。」
名前も顔も思い出せないその子には、あの日以来一度も会っていない。
「焦凍、どうしたの?」
「姉さん、聞きたいことがあるんだ。」
2日前、雄英高校体育祭が終わった。
緑谷のおかげで俺は前に進むきっかけができた。
そしてそのためにはまず、過去を清算する。
そう思って昨日会いに行った母は久しぶりに会った俺に優しく笑いかけてくれた。
そんな俺がもう1人会わなければならない相手、それは昔…俺が傷つけた相手。
「…許嫁?」
「俺が5歳の時に親父が連れてきただろ、俺と同い年の女の子。」
「あぁ…名前ちゃんのことかな。」
「名前…?」
「焦凍、本当に覚えてないんだね。(まぁ、お母さんとのアレのすぐ後で焦凍けっこう荒れてたもんな…。)」
「ソイツに会えるかな…。」
そう呟けば、姉さんは小さく息を吐く。
そんな姉に呆れられているのだろうかとうつむけば、そんな姉は俺の頭にポンッと手を置いた。
「焦凍。」
「ごめん、姉さん…。」
「もーっ!遠慮しないのっ!家族なんだからっ!」
「!…うん。」
「名前ちゃんね、実は焦凍と同じ雄英高校にいるのよ?しかもヒーロー科。」
“休み明けに会いに行ってみたら?” と笑った姉に、少しだけ安心してしまった俺がいた。
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