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楼主様の苦悩。
おなまえは?
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ダダダダダッ…という足音に小さく息を吐く。
また今日も、あの人が来た。
そう思って椅子から立ち上がれば、それと同時に店の扉がスパァンッと開けられた。
「来てやったぜェ、名前よ。」
「…剣八様、ようこそいらっしゃいました。」
「相変わらず無愛想だなァ。」
「ここは男性がお金を払って女性を買うお店です。お金も払わずに愛想振りまくなんて尻軽女はここにはいませんよ。」
「だからテメェを買うっつってんだろうが。」
「私はココの店主で、商品ではありません。護廷十三隊の隊長様ならウチの最上位の子も喜んで一夜を共にすると思いますよ?」
胸元から煙管を取り出して火をつける。
そんな私の言葉に眉を寄せるのは護廷十三隊の隊長、更木剣八様だ。
元々は客として来たのだが、暴れる客を無理矢理追い出した私を気に入ったらしく毎週末こうして私の店へとやってくる。
まぁ正直、護廷十三隊の隊長さんに贔屓にしてもらえるのは店の評判にも繋がるし有難い。
…が、いい加減諦めて欲しいのも本音だ。
「おい、いくら払えばテメェの一晩を買える?」
「!…だから、私は商品じゃありません。」
「関係ねェ。」
「関係なくありません。いくら護廷十三隊の隊長様でも聞ける願いと聞けない願いがあります。」
小さく息を吐いて帳簿を捲る。
今日は上位の子達はみんな座敷に入っているため、剣八様にあてがえる子は限られてしまっていた。
…まぁこの人なら女の子の仕草どうので文句をいうタイプではないだろうけど。
「ここで押し問答していてもなんですし、どの子か一晩買っていかれますか?」
「チッ…テメェ以外の女にゃ興味ねェ。」
「そんなこと言わず…この子とかどうです?新しく入った子ですけど器量も良くてオススメですよ。」
「俺の話が聞こえてねェみてぇだな?」
「聞こえた上でお話してます。」
「…もういい。」
“邪魔したな。” と暖簾をくぐり店から出ていく剣八様に頭を下げる。
それから煙管を一吸いして、その煙を誰もいない空へとゆっくり吐き出した。
「……剣八様に抱いてもらえるならお金なんて要らないのにねぇ…。」
そう呟いた私の言葉は煙と共に静かに消えていった。
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