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言葉足らず。
おなまえは?
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「…はい、もう大丈夫ですよ。」
「ありがとうございました。」
「あまり無理はなさらないでくださいね。」
そう言って笑えば相手は素直に頷いてくれる。
うんうん、これこそ患者の鏡。
「苗字さん、ご指名ですよ。」
「!えっ…それはもしやっ…。」
「はい、十一番隊隊長 更木剣八さんです。」
そう言ってニッコリと笑う自隊の隊長に私は思わず大きなため息をついた。
四番隊に入隊して何十年…。
席官ももらい、順風満帆な護廷隊人生。
唯一困っていることがあるとすれば…この十一番隊隊長からのご指名くらいだろう。
「失礼します、四番隊の苗字です。」
「やぁ、いらっしゃい。」
「ナマエちゃんっ!」
「うわっ…やちるさん、こんにちは。」
「剣ちゃんが待ってるよ!今日はね、腕と背中におっきい傷作ってた!」
いきなり抱きついてきて、そんな丁寧な報告をしてくれるのは十一番隊の副隊長である草鹿やちるさん。
草鹿副隊長と呼ぶと怒るため、やちるさんと呼ばせていただいている。
「ゆみちー!つるりん!お菓子買いに行こ!!」
「つるりんじゃねェ!!」
「いいから行こう、一角。じゃあ苗字、隊長のことよろしくね。」
「あ、はい。いってらっしゃい。」
ペコリと頭を下げれば満足そうな顔で出ていく3人。
なぜこの人達は私が隊長を治しに来る度に出かけていくのだろうか…。
これは職務放棄ではないのか?
「(って十一番隊の人達にそんなこと言っても意味無いか…書類整理すらしてないんだもんな…。)」
そんなことを考えながら隊舎の更に奥にある隊長の部屋へと1人で向かう。
いつもはうるさい十一番隊も戦いの後だからかすごく静かで、まるで誰もいないみたいだ。
「(さすがにそれはないか。)…更木隊長、いらっしゃいますか?四番隊の苗字です。」
“…入れ。”
「失礼します…。」
ガラッ…と扉を開けると、いつもの死覇装ではなく珍しく着流し姿の更木隊長がいた。
背中に傷を作ったということは死覇装が破れてしまったのだろうが…髪もおろしているせいで何故か変な色気が漂っている。
「(見ない見ない…。)今日は背中と腕に大きな傷があるとやちるさんに伺いました。」
「……。」
「…じゃあ、見させて貰いますね。」
“返事がないのは、了承の意。”
未だに何も言わない更木隊長にもう一度声だけかけて、私は更木隊長の着流しに手を伸ばした。
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