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お近づきのしるしにアイス
おなまえは?
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ジリジリ…と照りつける太陽を見上げて、その暑さに息を吐く。
暑い、暑すぎる。
「(オールマイトさんと緑谷君こんな暑さの中で毎日特訓してるって恐ろしいんだけど…。)」
春だった季節はいつの間にか真夏へと変わった。
オールマイトさんが見つけたONE FOR ALLの後継者…緑谷出久君が特訓を始めて2ヶ月。
オールマイトの言葉を信じてハードな特訓をこなしていく緑谷君は馬鹿真面目という言葉が似合うと思う。
「(まぁ、無個性だった緑谷君がワンフォーオールを受け取るためにはその特訓が必要不可欠だけどさ。)」
そんな事を考えながらコンビニで買ったアイスを木の影に入って口に含む。
今日はオールマイトさんの代わりに午前中だけ緑谷君の特訓に付き合った。
前よりも引き締まった身体に少しだけ劣等感を抱いたのは秘密として…特訓を終えてから帰るまでが私の本当の試練だったらしい。
「(暑い…。家に着く前に死ぬ…。)」
「あれ、可愛い子みっけ。」
「お、マジじゃん。アイスいいなー?」
「……。」
「外暑くない?一緒にお茶でもしよーよ。」
「美味しいパフェとか奢るからさー!あ、友達呼べる?可愛い子がいいなー?」
「(ただでさえ暑さがうざったいのに…。)」
おそらく高校生であろう目の前の男の人達に向けて出そうになった悪態を飲み込む。
こんな雑なナンパにいちいちイライラしていてはこの猛暑を乗り切れない。
そう考えて最後のアイスをゴクンと飲み込めば、ナンパ男子達は意気揚々と私の腕を掴んだ。
…いや、掴みかけたの方が正しいだろう。
私の腕まで伸ばされた男の手は隣から伸びてきた手に叩き落とされ空を切ったから。
「!え…?」
「触んな、さっさと散れカス。」
「なッ…。」
聞き覚えのある、怒気を含んだ声。
思わずポカン…と口を開けたまま固まっていれば、目の前の金髪が風で少しだけ揺れた。
「お、おい何だよお前ーーー。」
「馬鹿ッ…コイツあのヘドロ事件の中坊だッ…!」
「あ゙…?」
「クソッ…行こうぜ…!」
金髪少年がギロリと睨めばバタバタと去っていくナンパ男子たち。
高校生が中学生に凄まれて逃げるなんてとんだ笑い話だが、相手が相手だから仕方ないのだろう。
「(というか…もしかして助けてくれたのかな?)」
「……。」
「…って待って待って!!」
様子を伺っていた私をチラリと見てから何も言わず歩きだそうとする金髪少年の腕を掴んで止める。
掴んだ瞬間すごい顔で睨まれた気がするが、そこは気づかなかったということしておこう。
「あ、あの…ありがと、ね?」
「あ゙…?別に邪魔だっただけでテメェを助けたつもりはねェよクソが。」
「でも助かったから、ありがとう。」
「……。」
「……?」
「………。」
「…もしかして私の事覚えてなーーー。」
「ンな訳ねェだろ殺すぞクソモブ女がッ…!」
もしや…と思った疑問を口に出せば、頭をガシッと掴まれました。
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