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【ゾンビ】

 場所は街はずれの大衆墓地、空から赤みが消えた頃にガコンと大きな音が鳴り、墓石が一つ動いた。
「おはよう」
 派手に倒れた墓石の下から出てきたのは小柄な少女。とても墓石をどうにかできるとは思えない細い腕でうんと大きく伸びをすると、挨拶を投げかけてきた相手を探してクルクルと頭を振った。
「おはよう、じゃないでしょ。どこにいるのよ、【キョンシー】」
「うしろ」
「うしろ?」
 会話の流れから、少女は自然と後ろを向く。
と、同時にボトンという鈍い音が響き、
「あ」
彼女の首半ばから上が、ゴロゴロと汚い地面に転がっていった。
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