雑多な倉庫(短編)
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兄者side
「兄者みてみて!新しいゲーム届いた!」
「おーこれ前言ってたアクションのヤツ?」
「そう!あ、あきにも見せてあげないと」
弟者は見えるかな?なんて言いながら俺の彼女…だったあきの写真にかざしている。
あきが事故にあってもう2年。
最初はあきと出掛けた記憶や遊んだ記憶、たわいもない話をしていた記憶…彼女に関わる全てを忘れたくなくて、必死になって思い留めていた。けれど、時間が経つにつれて、波打ち際に書いた文字みたいに薄れていってしまった。今となっては、記憶の輪郭は朧気でどんな声の表情だったかすら思い出せずじまいだった。
だから、弟者の行動でハッとした。
『兄者ぁ!これ一緒にやろ!』
「うおっ、いきなり危ねぇな…ってなんだこれ」
『それね、新作のアクションらしいんだよ!私、こういうドンパチ系好きなんだ〜』
新作が出る度に、こうやって弟者みたいに興奮で目を煌めかせながら俺の手を引っ張ってたっけ。嬉しそうに笑うあきに胸が締め付けられる。
「俺忘れてなかったのか」
「へ?兄者なんて?」
「いや…なんでもない」
へんなの、と呟いてから弟者はそそくさと自室にはいっていった。そんな弟者の背中を見送ってからふと気づいた。
「…これ前からあったか?」
ツーショットの写真の隣に青色の花びらが1つ、写真立てにもたれ掛かるように落ちていた。そっと拾い上げると柔らかい質感にふと懐かしさが込み上げて、不思議と安心した気持ちになるそれを捨てることは出来ず、自室のパソコンの隣に飾ることにした。
リビングから出る前に、もう一度あきの顔を見つめる。
「暫くはそっちで1人だろうけど…上から見ててくれ」
優しく微笑むあきを親指で撫でる。
また1つ、花びらがくるりと舞った。
「兄者みてみて!新しいゲーム届いた!」
「おーこれ前言ってたアクションのヤツ?」
「そう!あ、あきにも見せてあげないと」
弟者は見えるかな?なんて言いながら俺の彼女…だったあきの写真にかざしている。
あきが事故にあってもう2年。
最初はあきと出掛けた記憶や遊んだ記憶、たわいもない話をしていた記憶…彼女に関わる全てを忘れたくなくて、必死になって思い留めていた。けれど、時間が経つにつれて、波打ち際に書いた文字みたいに薄れていってしまった。今となっては、記憶の輪郭は朧気でどんな声の表情だったかすら思い出せずじまいだった。
だから、弟者の行動でハッとした。
『兄者ぁ!これ一緒にやろ!』
「うおっ、いきなり危ねぇな…ってなんだこれ」
『それね、新作のアクションらしいんだよ!私、こういうドンパチ系好きなんだ〜』
新作が出る度に、こうやって弟者みたいに興奮で目を煌めかせながら俺の手を引っ張ってたっけ。嬉しそうに笑うあきに胸が締め付けられる。
「俺忘れてなかったのか」
「へ?兄者なんて?」
「いや…なんでもない」
へんなの、と呟いてから弟者はそそくさと自室にはいっていった。そんな弟者の背中を見送ってからふと気づいた。
「…これ前からあったか?」
ツーショットの写真の隣に青色の花びらが1つ、写真立てにもたれ掛かるように落ちていた。そっと拾い上げると柔らかい質感にふと懐かしさが込み上げて、不思議と安心した気持ちになるそれを捨てることは出来ず、自室のパソコンの隣に飾ることにした。
リビングから出る前に、もう一度あきの顔を見つめる。
「暫くはそっちで1人だろうけど…上から見ててくれ」
優しく微笑むあきを親指で撫でる。
また1つ、花びらがくるりと舞った。