雑多な倉庫(短編)
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「なぁおっつん。プレゼントで貰うとしたら何がいい?」
突拍子もない質問にキョトンとする。
「えっどーしたの急に」
「いや、その、第三者の意見が聞きたいと思ってよ…」
居心地が悪そうにぽりぽりと頭をかく兄者にカチンと合点がいった。
「あー!あきちゃんの誕生日プレゼント!」
「ばっ!おっつん声でけぇ!」
「ふーん?兄者が贈り物ねぇ」
「なんだよ、悪ぃか」
「いいや?今まで付き合ってきた子達にはあげてるところ見た事ないなぁって思ってさ」
あの兄者が珍しい。ニヤニヤと笑っていると、兄者は動揺を隠すようにコーヒーをあおると
「俺が本気になったの、あいつだけだから」
おお、デレた。これはレアですなぁ。
「へぇ、じゃあこのおついちさんにまっかせなさい!兄者は何あげたいか決まってる?」
「これ」
ばさりと広げられたアクセサリー雑誌。よく見ると綺麗な青色の石がハート型の蔦に絡まっているような、なんとも女子ウケのいいネックレスに大きく赤マルがつけられている。
「兄者ってもっと骸骨!どーん!みたいなやつ選んでると思ってた」
「テレビで特集やってたんだよ。そこで紹介されてた様な柄の人気が高いって言ってたから」
そわそわと僕の反応を確かめるように返答を待っている。このネックレスはいいと思うけど、意味知ってるのかな。
「兄者、アクセサリーにはそれぞれ意味があるの知ってる?」
「…?なんだそれ」
「ネックレスは『幸せを祈る』って意味があるんだ。あきちゃんに贈るにはちょうどいいと思うよ」
「…本当か!ありがとうおっつん」
嬉しそうにネックレスを眺める兄者にまた笑みがこぼれる。
実はもうひとつ意味あるの言おうと思ってたけど言わないでおいてあげようっと。事実、兄者って独占欲強いもんね。
---------------------------------------------------------
突然、スマホが震える。
朝早くに兄者くんから電話なんて珍しいなぁなんて思いながら通話ボタンを押す。
『兄者くんおはよ!朝早く起きてるの珍しいね』
「ああ、ちょっとな。それよりもあき今日空いてるか」
『ええと、ちょっと待ってね』
ぺらぺらと予定帳を確認する。今日はいつも通り5時に帰宅と波線が引いてあった。
『今日は5時に仕事終わるからその後なら空いてるよ!』
「そっか、なら俺と夕食に食べに行かね?」
『えー!行く行く!』
「おう!じゃあ6時にそっち迎えに行くわ」
久しぶりの外食!ウキウキしながら仕事に行く準備をする。今日は少し髪の毛巻いていこうかな。メイクも今流行りのやつに変えてみようかな。兄者の喜ぶ顔が見たくて、いつもよりいっそう時間をかけて準備しているともう家を出る時間。急いでカバンを肩にかけると足取り軽く駅へ向かった。
『ではでは、久しぶりに一緒の夕食にかんぱーい!』
「なんだよその掛け声笑」
兄者くんのツッコミは無視して右手のハイボールを飲み干す。
『はぁ……生き返る〜…』
「仕事おつかれさん」
『んぁ〜もう疲れたよ…なんであの上司私にばっかり面倒事押し付けるのよ…』
「チッその上司許さねぇ」
『何か言った?』
「いや、なんでもない。それよりも何から頼む?」
賑やかな店内で兄者くんのそんな呟きも聞こえずに枝豆をちびちび食べ進む。その後も他愛もない話をぽつぽつお互いに話しているとあっという間に日は沈み、帰る頃にはすっかり酔いが回っていた。
「おーい、あき起きてるかー?」
『ん?…………おきてる』
「嘘つけ。おら帰るぞ」
ほわほわ揺れる視界をのんびり見ていると、ぼすっと柔らかい感触。
『んふふ、あにじゃくんのにおいだ〜すき〜』
手を広げると胸いっぱいにひろがる大好きな彼の匂いに手を取られ、夢の狭間に誘われる。
「おやすみ。それと…愛してる」
心地いい彼の声に頭を撫でられる感触が眠気に拍車をかけていく。兄者くんの手がほっぺを撫でる頃には、私はすっかり寝落ちていた。
『……んー……あれ?』
首元の冷たさに目が徐々に覚めていく。
気づけば彼の布団にくるまって寝てしまっていた。いやいや、それよりも…
『あ、あ、兄者くん!これなに?!』
飛び起きてリビングに行くとゆったりコーヒーを嗜んでいた。
「え?何ってネックレス」
『いやそれは分かるけど…私兄者くんになにかしたっけ?』
まだ混乱している私を面白そうに見ると手招きする。ソファの隣に座ると抱えられて足の間に座らされた。
「いつも頑張ってる誰かさんにご褒美。最近買い物にも行けてなかったらしいから」
偉いぞ、と兄者くんの腕にすっぽり収まる。
『あ、兄者くん…すごく嬉しい…ありがとうぅ大切にするぅぅ』
「ばっ!泣くな泣くな!」
袖で涙を拭ってくれる優しい手にそっと擦り寄ると、ほっぺを撫でて、ちゅっと軽いリップ音。静かな朝のリビングに言葉はいらなかった。
突拍子もない質問にキョトンとする。
「えっどーしたの急に」
「いや、その、第三者の意見が聞きたいと思ってよ…」
居心地が悪そうにぽりぽりと頭をかく兄者にカチンと合点がいった。
「あー!あきちゃんの誕生日プレゼント!」
「ばっ!おっつん声でけぇ!」
「ふーん?兄者が贈り物ねぇ」
「なんだよ、悪ぃか」
「いいや?今まで付き合ってきた子達にはあげてるところ見た事ないなぁって思ってさ」
あの兄者が珍しい。ニヤニヤと笑っていると、兄者は動揺を隠すようにコーヒーをあおると
「俺が本気になったの、あいつだけだから」
おお、デレた。これはレアですなぁ。
「へぇ、じゃあこのおついちさんにまっかせなさい!兄者は何あげたいか決まってる?」
「これ」
ばさりと広げられたアクセサリー雑誌。よく見ると綺麗な青色の石がハート型の蔦に絡まっているような、なんとも女子ウケのいいネックレスに大きく赤マルがつけられている。
「兄者ってもっと骸骨!どーん!みたいなやつ選んでると思ってた」
「テレビで特集やってたんだよ。そこで紹介されてた様な柄の人気が高いって言ってたから」
そわそわと僕の反応を確かめるように返答を待っている。このネックレスはいいと思うけど、意味知ってるのかな。
「兄者、アクセサリーにはそれぞれ意味があるの知ってる?」
「…?なんだそれ」
「ネックレスは『幸せを祈る』って意味があるんだ。あきちゃんに贈るにはちょうどいいと思うよ」
「…本当か!ありがとうおっつん」
嬉しそうにネックレスを眺める兄者にまた笑みがこぼれる。
実はもうひとつ意味あるの言おうと思ってたけど言わないでおいてあげようっと。事実、兄者って独占欲強いもんね。
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突然、スマホが震える。
朝早くに兄者くんから電話なんて珍しいなぁなんて思いながら通話ボタンを押す。
『兄者くんおはよ!朝早く起きてるの珍しいね』
「ああ、ちょっとな。それよりもあき今日空いてるか」
『ええと、ちょっと待ってね』
ぺらぺらと予定帳を確認する。今日はいつも通り5時に帰宅と波線が引いてあった。
『今日は5時に仕事終わるからその後なら空いてるよ!』
「そっか、なら俺と夕食に食べに行かね?」
『えー!行く行く!』
「おう!じゃあ6時にそっち迎えに行くわ」
久しぶりの外食!ウキウキしながら仕事に行く準備をする。今日は少し髪の毛巻いていこうかな。メイクも今流行りのやつに変えてみようかな。兄者の喜ぶ顔が見たくて、いつもよりいっそう時間をかけて準備しているともう家を出る時間。急いでカバンを肩にかけると足取り軽く駅へ向かった。
『ではでは、久しぶりに一緒の夕食にかんぱーい!』
「なんだよその掛け声笑」
兄者くんのツッコミは無視して右手のハイボールを飲み干す。
『はぁ……生き返る〜…』
「仕事おつかれさん」
『んぁ〜もう疲れたよ…なんであの上司私にばっかり面倒事押し付けるのよ…』
「チッその上司許さねぇ」
『何か言った?』
「いや、なんでもない。それよりも何から頼む?」
賑やかな店内で兄者くんのそんな呟きも聞こえずに枝豆をちびちび食べ進む。その後も他愛もない話をぽつぽつお互いに話しているとあっという間に日は沈み、帰る頃にはすっかり酔いが回っていた。
「おーい、あき起きてるかー?」
『ん?…………おきてる』
「嘘つけ。おら帰るぞ」
ほわほわ揺れる視界をのんびり見ていると、ぼすっと柔らかい感触。
『んふふ、あにじゃくんのにおいだ〜すき〜』
手を広げると胸いっぱいにひろがる大好きな彼の匂いに手を取られ、夢の狭間に誘われる。
「おやすみ。それと…愛してる」
心地いい彼の声に頭を撫でられる感触が眠気に拍車をかけていく。兄者くんの手がほっぺを撫でる頃には、私はすっかり寝落ちていた。
『……んー……あれ?』
首元の冷たさに目が徐々に覚めていく。
気づけば彼の布団にくるまって寝てしまっていた。いやいや、それよりも…
『あ、あ、兄者くん!これなに?!』
飛び起きてリビングに行くとゆったりコーヒーを嗜んでいた。
「え?何ってネックレス」
『いやそれは分かるけど…私兄者くんになにかしたっけ?』
まだ混乱している私を面白そうに見ると手招きする。ソファの隣に座ると抱えられて足の間に座らされた。
「いつも頑張ってる誰かさんにご褒美。最近買い物にも行けてなかったらしいから」
偉いぞ、と兄者くんの腕にすっぽり収まる。
『あ、兄者くん…すごく嬉しい…ありがとうぅ大切にするぅぅ』
「ばっ!泣くな泣くな!」
袖で涙を拭ってくれる優しい手にそっと擦り寄ると、ほっぺを撫でて、ちゅっと軽いリップ音。静かな朝のリビングに言葉はいらなかった。