雑多な倉庫(短編)
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「はぁ、やっぱここだったか」
ため息混じりのその声に、緩みきっていた体が一気に緊張する。誰にも教えてない場所なのになんで…?しかも上司に見つかるなんて…頭に浮かんだ疑問を隅へ押しやると前を向いたまま、動揺を隠すようにタバコをふかした。
『な、なんで兄者さんが居るんですか?せっかく寛いでたのに、台無しじゃないですか』
「俺もタバコを吸いに来ただけだ。悪いか」
『悪くは、ないです』
都合は悪いけど……
兄者さんに見えないようにこっそり目じりを押さえる。彼の前で情けない姿なんて見せたくもない。もう濡れてない、大丈夫…
兄者さんは隣に来るとニヤリと笑った。
「あき、お前またヘマやったんだって?今回は何やらかしたんだよ」
『…後衛だったのに焦って前線まで出ちゃった挙句、こっちに損害を出してしまって、さっき教官からこっぴどく説教食らってきたところです』
ダメダメですよ、とへらりと笑う。
兄者さんがまた盛大にため息をついた。
それからお互い口を開かずにタバコをくゆらせていた。春風が吹く中、沈黙を破ったのは兄者さんだった。
「俺の部下には、見込みのあるやつしか入れない。名前は高い状況把握能力と瞬発力がある。それに愚弟みたいに見境なく突っ込んでいかない」
『えっ…?』
「少しどんくさいのが厄介だがな。あと変に我慢強いところと」
ニヤリと笑うサングラスの向こうの目は、なんでもお見通しと言うように私を捉えていた。
『わ、私、いつも肝心なときにやらかすし、面倒だって思われてると、おもってて……』
ぽんっと頭を大きな掌で撫でられる。
「あきがヘマったとき、俺や仲間が助けてくれんだろ?だから周りをもっと頼れ。大丈夫。いつでも支えてやる」
兄者さん、ありがとう
そう言いたかったけれど、嗚咽にかき消されて歪な声になってしまった。それでも兄者さんはいつもの笑顔を浮かべながら私が泣き止むまでずっと隣に居てくれた。
「さて…スッキリしてすぐに悪いが訓練に付き合え。」
『ふふっ、悪いって思ってないでしょ』
そうやって連れ出してくれるのも、私を考えてくれてることくらい分かってるよ。
ため息混じりのその声に、緩みきっていた体が一気に緊張する。誰にも教えてない場所なのになんで…?しかも上司に見つかるなんて…頭に浮かんだ疑問を隅へ押しやると前を向いたまま、動揺を隠すようにタバコをふかした。
『な、なんで兄者さんが居るんですか?せっかく寛いでたのに、台無しじゃないですか』
「俺もタバコを吸いに来ただけだ。悪いか」
『悪くは、ないです』
都合は悪いけど……
兄者さんに見えないようにこっそり目じりを押さえる。彼の前で情けない姿なんて見せたくもない。もう濡れてない、大丈夫…
兄者さんは隣に来るとニヤリと笑った。
「あき、お前またヘマやったんだって?今回は何やらかしたんだよ」
『…後衛だったのに焦って前線まで出ちゃった挙句、こっちに損害を出してしまって、さっき教官からこっぴどく説教食らってきたところです』
ダメダメですよ、とへらりと笑う。
兄者さんがまた盛大にため息をついた。
それからお互い口を開かずにタバコをくゆらせていた。春風が吹く中、沈黙を破ったのは兄者さんだった。
「俺の部下には、見込みのあるやつしか入れない。名前は高い状況把握能力と瞬発力がある。それに愚弟みたいに見境なく突っ込んでいかない」
『えっ…?』
「少しどんくさいのが厄介だがな。あと変に我慢強いところと」
ニヤリと笑うサングラスの向こうの目は、なんでもお見通しと言うように私を捉えていた。
『わ、私、いつも肝心なときにやらかすし、面倒だって思われてると、おもってて……』
ぽんっと頭を大きな掌で撫でられる。
「あきがヘマったとき、俺や仲間が助けてくれんだろ?だから周りをもっと頼れ。大丈夫。いつでも支えてやる」
兄者さん、ありがとう
そう言いたかったけれど、嗚咽にかき消されて歪な声になってしまった。それでも兄者さんはいつもの笑顔を浮かべながら私が泣き止むまでずっと隣に居てくれた。
「さて…スッキリしてすぐに悪いが訓練に付き合え。」
『ふふっ、悪いって思ってないでしょ』
そうやって連れ出してくれるのも、私を考えてくれてることくらい分かってるよ。
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