短編集
御名前
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「ポケット行きたいなー。」
「今日はスペシャルパンケーキですか?」
「そうそう。ストロベリーパフェはこの前食べたからー…………、あれ?ジュンギと行ったっけ?」
「……どうでしたかね。」
「……いやあの日は職場の人達と行ったから……ジュンギ?」
私は少し考え込んでからジュンギの顔を見ると、彼は悪びれる様子も無く言葉を放った。
「そのくらい知ってますよ。悪い虫が寄り付いていないか確認しているだけです。」
「悪い虫とか言わないで!職場の人達!」
「はあ……同性なら何の心配もなく送り出せますけど、貴方の場合異性もいますよね?」
「それは……性別を理由に声を掛けないのは悪いじゃん?無理矢理行こうって言って無いし。」
「……前にトイレから戻ったら異性一人しか残っていない事ありましたよね?」
「それはたまたま他の子が帰っちゃったし……でもジュンギがその時はお迎えに…………。」
「そうですね、その時はたまたま通りがかった私と帰りましたからね。」
「……………………。」
今まですごく気が付いてくれる、タイミングの良い優しい人だと思っていた……。
ジュンギは私が欲しかった物、気になった物をたまたま買って帰ってくれるし、甘い物も……、無くなりそうなシャンプーとか……。
「…………………………。」
私は、偶然と納得させていた違和感が崩れていき、隣に立つジュンギが怖くなり俯いた。
「……全てを知られるのか怖いですか?しかしながら、何か今までで困った事はありましたか?」
「………………。」
彼氏が最近忙しくて、寂しいと相談したその日は早く帰ってきてたくさん構ってくれて、彼氏が甘えてくれないと相談すれば、……その日に甘えてくれた……。友達は言葉の力だと喜んでくれたが……全て筒抜け……だった?
「ふふ……そんな顔しないで下さい。あまねのとなりにずっと寄り添える訳じゃありません。でも貴方の動向を把握出来れば直ぐに力になれますから。」
「……こ、こんなの、ダメだよ、ジュンギっ。」
「どこがダメです?あまねは優しいから多くの同性に妬まれやすく、異性からは好意を向けられやすいですから。あまねが過ごしやすいよう私が管理しているだけです。」
「……それでも……。自分の事は自分でするから。」
「貴方が後ろめたいことをしていないなら、困ることは何もありませんよ。」
「……でも、監視みたい……。」
ジュンギは俯き立ち止まっていた私の前に立ち手を取った。
「じゃあ聞きますけど、あなたの行動を制限したことは?」
「……ない。」
「交友を禁じたことは?」
「…………ない。」
「では、何が問題ですか?」
「…………もし……もし……も、問題があったら……どうなるの……?」
「問題があったなら対処しますよ……私の方で。」
「……でも……。」
「大丈夫ですよ。今まで通りに過ごしてもらえれば。……私はあまねの事を愛していますから。」
背中がゾクリと凍り付いた。ずっと見られていた。
……そしてこれからも……ずっと。
…………彼の視線の先にいる。
(終)
