短編集
御名前
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「はーー。」
「飲みます?ちょうどお店の前を通りかかったので。」
ジュンギからスムージーを受け取った。……お気に入りの苺スムージーだ。
「ありがとう。……ジュンギならもう知ってるよね。」
「さあ……どうでしょう。」
「嘘つきめ……私の彼氏が二股で、ついさっき捨てられて来たことぐらい知ってるんでしょ。」
「……遅かれ早かれ誰もが知り得た情報でしょう。」
「…………好きだったのに……。」
グズグズ涙が零れるとすぐにジュンギはハンカチとティッシュを差し出してくれた。
「一応あまねにはあの男は同棲している方がいると教えた気もするんですけどね。」
「……だってだって……。」
ただあまねはその男と本気で付き合っていると思っていた。……結果はただの遊びだった。その男は家庭を築いていたから。
「……でもジュンギの言う通り付き合ったら1ヶ月はヤらせるなは正解だったかもしれない。」
「そうでしょう。遊びかどうか見分ける事としてはその手段が一番ですからね。」
「…………でも落ち込む。……ヤッてたら捨てられなかったかな?」
「良くてセフレ、辿り着くところは慰謝料を請求される所じゃないですか?」
「うぅ…………。」
あまねは力なく呻き、直ぐにスムージーのストローに口を付けていた。
「男運がありませんね。」
「……………………。」
何故かあまねが好きになる男は、家庭持ち、ギャンブル好き、借金持ち、浮気……。
「…………ジュンギは?女運悪い?」
「私ですか?顔目当てや組織目当てに来る女性ばかりですので……女運は悪いの部類でしょう。」
「………………、じゃあ私が女運上げてあげようか?」
私はニコリと上手い事言ってやったとばかりにジュンギの顔をみると、
ジュンギも上手い事いったような笑みを浮かべていた。
「ええ、あまねなら喜んで。」
「……………………。」
ちょっと嫌そうな顔をするのか、女運下がるからやめて下さいなどとどんな言葉が来るのか構えていた私はびっくりして目を見開いた。
「あまねの事ならなんでも知ってますよ。例えば悲しい時は苺、楽しい時はバナナ、怒ってる時は……全部ミックスでしたね?あと皿の端に人参を、」
「わあああああああ、なんで知ってんのー。」
「あとボーリング場ではガーター量産機ってあだ名を付けられているとかも有名な話ですよ。あと……無理に取り繕わなくても良い関係にはなれますよ?」
「……………………。ジュンギ……でもそれってどういう意味?」
「そのままの意味ですよ。」
私が持っていたスムージーのストローを咥えられた。
真っ直ぐ見詰めてくるジュンギから目が離せなかった。
喉をゴクリと言わせ、ゆっくりとストローから口を離した。
「もう男運で泣くのはこれで最後にしましょう。……あまね。」
「…………っっ」
そのままゆっくりと唇を重ねて、私の頭を撫でた。
「……ジ、ジュンギのバカバカバカ。」
「ふふ、じゃあカフェでパンケーキでも食べに行きます?チョコバナナですか?」
「っっっっもおおおおおお。」
……私の男運は確かに終わりを告げたのかもしれない。
(終)
