1:ハンター試験編
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1‐29:トリックタワー
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翌朝、9時を過ぎたころ。
わたしたちはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんで飛行船から降ろされ、ついに3次試験が始まった。
試験内容は『制限時間72時間以内に生きて下まで降りてくること』……だそうだ。
外壁を伝って降りるのかと思いきや、真っ先に怪獣に狙い撃ちされた受験者を見て、壁側から降りるのは断念。
「きっとどこかに下に通じる扉があるはずだ」とクラピカが言うので、さっきから地面をよく見ているのだけれど、扉らしきものは見当たらないし、特に違和感は……。
……ん?
なんだろう…ここ。
少しだけ下から風が吹き上げてきているような。
しゃがんで床をぐっと押すと、
「わっ!?」
ガコンッと音がして、地面が傾いたのと同時に塔の中へと落ちていく――が、意外と地面は近くて、咄嗟にくるっと回転し着地した。
「…ふう。ここは……?」
周りを警戒しつつ、わたしはゆっくり立ち上がる。
そこは冷たい石の床が足元に広がる薄暗い空間で、どうやら、自分以外には誰もいないらしかった。
部屋の奥には2mほどの大きさのひび割れた木製の扉があり、逆にそれ以外に目立ったものは見当たらない。ぺたぺた触ってみるが、仕掛けらしきものは特になくて、古いだけの扉に思える。
それが逆に怪しいような気もするけど…どうしようかな……。
少し悩んでから、わたしは扉の取っ手に手をかけた。
ちょっと怖いけど、いつまでもここにいるわけにはいかないしね。
「うぐぐ、固っ……」
錆び付いているのかやけに重い。
めいっぱい力を込め、無理やり開けた扉の先には、今までいた部屋を一回り大きくしたような別の部屋があった。
部屋の手前側に4枚、奥側にも同じく4枚、計8枚の扉が設置されている。……って、また扉?
わたしは試しに、手前側、右隣の扉を開けてみた。
今度は真っ直ぐ通路が続いて、道なりに進んでみると、またしても似たような部屋に続くが、扉の数はさらに増えている。
な、なにこれ……頭がおかしくなりそうなんだけど…!
同じように適当に扉を選んで先に進むと、扉の数は8枚に減って1つ前の部屋に逆戻り。
これは…もしかして……もしかしなくても……。
さあっと頭から血の気が引いていくのがわかる。
この塔が“トリックタワー”と名付けられた意味がようやく理解できた気がした。