1:ハンター試験編
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1‐27:まさかの遭遇
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お風呂のお湯はわたしの心と身体に染み渡り、一日の疲れがゆっくりとれていくのを感じた。
この広い浴槽を独り占めできるなんて贅沢だあ…と半分溶けながらひと時の幸せを噛み締める。
いつまでもこうしてだらけていたいけど、明日に備えて今日はもう寝なくては。
湯船から出て、適当に髪を乾かし、それからマフラーを巻き直す。
休憩室は……確か、こっちだったかな…?
あれ…こっちじゃないな…
えっと……
……。
「ま、まあ、いつかは辿り着くよね…はは」
隣にはもうゴンもキルアもいないので、独り言が虚しく響く。
さっきまではちゃんと覚えていたはずなのに…からだの汚れと一緒に、記憶まで流れてしまったみたいだ。
うう…わたしの鳥頭……。
「…あれ?」
ふらふら歩き始めた矢先、謎の空間を見つけ足を止めた。記憶にない奥行きがある。
こんな場所あったっけ……?
何となく気になって覗いたのを、わたしはすぐに後悔することとなる。
「……ひっ、」
通路の奥にいた人物とバッチリ目が合ってしまった。
そして床には、大量に散らばったトランプカード。
「…おや◆ 確か君は一次試験で逢ったコだね?」
「ひ、ひ、ひ、ヒソカ! …さん!」
彼は、今この世でわたしが最も遭いたくない存在と言っても過言ではない。
天井から糸で引き上げられたかのように、背筋をピンと伸ばし硬直しているわたしを見て、ヒソカはぞっとするほど不気味な笑みを浮かべた。
「ヒソカでいいよ◆ 敬語も要らない❤︎」
「あ、そ、そう…はへ…」
ヒソカと一対一で会話をしているこの状況があまりに恐ろしくて、マトモに返事をすることさえままならない。
「君、名前は?」
「……」
――言いたくないな。
真っ先に思い浮かんだ言葉に「いや、でも」と脳内で会議が始まる。
ヒソカ相手に無視なんてできるわけがないし、偽名を使って誤魔化そうものなら、彼は一瞬で見抜いてくるだろう。
正直に話すか、嘘をつくか。天秤にかけた瞬間、どちらが最善策かはあっけない程すぐに決まった。
「………………ミリアムです……」
「ミリアム…ね♣︎ 覚えたよ❤︎」
一刻も早く忘れてほしいだなんて、口が裂けても言えない。