1:ハンター試験編
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1‐20:後悔と反省
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謝るなら、今しかない。
わたしは息を吸って、吐いて…呼吸を整えてからその言葉を口にする。
「あのね……キルア。ごめんね。わたしが間違ってた」
「……はっ?」
まさか謝られるとは思っていなかったらしい。
鳩が豆鉄砲を食らったような顔で、目をぱちぱちさせている。
「キルアの言うとおり、わたし、何もできなかった。今ここに立ってるのも運が良かっただけ」
ヒソカとのやり取りを思い出すだけで、まだ少し足が震えてしまう。気まぐれで殺されていてもおかしくなかったはずだ。
「…だから、ごめんね。わたしが間違ってた。酷いこと言ったのも…ごめんなさい」
わたしは誠意が伝わるように、真っ直ぐ目を見て、それから深く頭を下げた。目頭が熱くて、視界がじわっと滲んでいくのを舌を噛んでなんとか止めようとする。
ここで泣いたら、キルアが悪者みたいになっちゃう。
それだけは、絶対だめだから。
「キ、キルアは、もう二度と喋りたくないって、思ってるかもしれないけど…わたしは……わたしは…」
俯いた拍子に零れ落ちた涙が、地面に染みを作っていく。
何も言えず黙り込んでいると、突然、鈍い痛みが頭に走った。
驚いて咄嗟に顔を上げる。キルアは手刀のポーズをとったままわたしを見下ろしていた。
「わかったから! 顔、上げろよ」
「…う、うん」
「別に、そこまで怒ってねーから。確かにムカついたけど、ちょっと意地悪してやろうと思っただけで…。二度と喋りたくないとか、ないから」
「そう……なの?」
「そうだっつの」
そっか…別に嫌われたわけじゃなかったんだ。
胸の中のもやもやがすっと消えていく。
「あと、そんなんでいちいち泣くなよ……。調子狂うだろ…ばーか」
言いながら、キルアは目を逸らす。
「あっ…ごめん。つい」
わたしは上着の袖を引っ張って、ゴシゴシと目をこすった。
すぐ泣くやつって思われたかな…。
「あーもう! 怒ってないからチラチラ見んなよな」
「え、ああ、ごめん…」
「謝んなくていいってば。つか謝るの禁止な、別に気にしてねぇし」
キルアはズボンのポケットに手を突っ込み、うんざりした様子で言うけれど、その声はとても優しかった。