1:ハンター試験編
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1‐12:奇術師
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しばらくして目的地に着いたのか、チンと音がなり自動的に扉が開いた。
薄暗い地下道。そこは明らかに今までと雰囲気が違っていて、特有の息苦しさがある。
何百人と待機している志望者たちの間で会話はほとんどなく、お互いの実力を探り合い、そして牽制しているように見えた。
「一体何人くらいいるんだろうね」
無邪気なゴンの問いかけに、どこかから返事が。
「君たちで406人目だよ」
突如わたしたちの前に現れた『トンパ』と名乗る小柄なおじさんは、ひとりずつ握手を求めてきた。
その裏ではプレートが配られていて、わたしは“406番”を受け取り胸につける。
トンパさんは、もう30回以上試験を受けたことのある大ベテランらしく、受験者の情報をいろいろ教えてくれた。
「――と、まあこのへんが常連だな。実力はあるが今一歩で合格を逃してきた連中だ」
皆とてつもない実力者揃いだけれど、やはりハンター試験を一発で通過した人はほとんどいないらしい。
となると、わたしが合格できる確率って……
…………いや、考えるのはやめておこう。
実力不足は全部あとになればわかること。
始まる前から怖気付いたらそれこそ終わりだ。
自分の弱い気持ちに蓋をするように、帽子を引っ張って、深く被ろうとしたそのとき。
「ぎゃああぁ〜〜〜っ!!!!」
耳をつんざくような悲痛な叫び声がして、わたしたちは一斉に振り返った。
声が聞こえてきた方角には、人集りができている。
……あるひとりの人物を囲むようにして。
「アーラ不思議❤︎ 腕が消えちゃった♣︎」
「お゛ ぉ オ オオ オレのォォ〜〜〜〜……!!」
「気をつけようね◆ 人にぶつかったらあやまらなくちゃ♣︎」
何が起きているのか理解した瞬間、背筋がゾッとした。
呻き声をあげる男性の両腕は、関節部分からすっぱり切断されてしまっている。
その前に立っている、ピエロのような見た目をした長身の男性は、怪しげな笑みを浮かべながら去っていった。
その異様な光景に全員が息を飲んでしまう。
「トンパさん、あの人は……?」
「あれは、44番 奇術師ヒソカ。去年合格確実と言われながら、気に入らない試験官を半殺しにして失格した奴だ」
「ひえっ…」
そんな人が、また試験を受けに来てもいいなんて…
「奴は去年、試験官の他に20人の受験生を再起不能にしている。極力近寄らねー方がいいぜ」
ああ、なんか目眩がしてきたかも……。