1:ハンター試験編
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1‐11:ステーキ定食
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凶狸狐さんの翼でひと時の空中遊泳を楽しみ、無事ザバン市に到着。
いよいよハンター試験が始まるのだと考えると、そわそわドキドキ、落ち着かない心地だ。
途中ですっごく大きな建物があったけど、そっちは無関係で、どうやらその隣の定食屋さんが本当の試験会場らしい。
確かにここなら、誰も応募者数百万人ともいわれるハンター試験の会場だとは思わないよね。
「いらっしゃーい」
人の姿に化けた凶狸狐さんに続いて、店の中に入る。
内装もやっぱり普通の定食屋さんだ。
…お肉の良い匂いがする。
「御注文はー?」
「ステーキ定食」
厨房に立つ料理人さんの目が一瞬光ったのを、わたしは見逃さなかった。
「……焼き方は?」
「弱火でじっくり」
「あいよー」
多分このやりとりが、“ハンター試験を受験する”という合図なんだと思う。
わたしたちは他のお客さんと離された奥の部屋に案内された。そこでは、きちんと弱火でじっくり焼き上げられたステーキ定食が4人分並んでいる。
…えっと、食べていいのかな?
「1万人に1人。ここにたどり着くまで倍率さ。
お前たち、新人にしちゃ上出来だよ」
1万人に1人。
その中にわたしが含まれているなんて、なんか、変な感じだ。
「それじゃ、がんばりなルーキーさんたち。お前らなら来年も案内してやるぜ」
そう言って凶狸狐さんは部屋を出ていった。
その際に何かのスイッチを押したのか、ウィーンと音がして、部屋がわずかに揺れている。エレベーターみたく地下へ移動しているようだ。
「ったく、失礼なやつだぜ。まるでオレたちが今年は受からねーみたいじゃねーか」
レオリオがステーキに食べながらぶつくさ言う。
それを見て、わたしも遠慮せずにフォークとナイフを手に取った。
「3年に1人」
「ん?」
「
「そ、そんなに…低いの…?」
「……ああ。新人の中には余りに過酷なテストに途中で精神をやられて奴、ベテラン受験者のつぶしによって二度とテストを受けられないようになってしまった奴など、ざららしい」
……正直聞きたくなかったかもしれない。
お肉が途端に喉を通らなくなってしまった。
ハンター試験を受ける以上、死をも覚悟して来たつもりだったけどどうやら本当に“つもり”だったみたいだ。
机の下でひっそりと足が震えているのを誤魔化すように、わたしは最後の1切れを水で流し込んだ。