我が儘になって







最近どうしても納得できない事がある



考えれば考えるほど、##NAME1##は僕に甘いけど



僕が##NAME1##に甘えられてる気が全くと言っていいほどしない




先日も…











「はい、##NAME1##、プレゼント」



突然差し出されたそれに、驚いた顔をして##NAME1##は読んでいた雑誌から顔を上げた




「早く、開けてみてよ」



喜ぶ顔が早く見たくて僕は##NAME1##の隣に座ってその横顔を見つめる





赤いリボンを解いて箱から出てきたのは##NAME2##の等身大ぬいぐるみ




「この間、最終段階まで進化したのも嬉しいけど、最初の姿も捨て難かったな、って言ってたからさ」





進化したポケモンを戻す事は出来ない


だからせめて、と思ってぬいぐるみを買いに行ってきた





「ありがとう。でも無理しなくていいのよ?」



嬉しそうにしてたのは一瞬だけ、次は困ったように半笑い






「…嬉しくない‥?」
「ううん。嬉しい」





でも‥、と言葉を濁らせて##NAME1##は部屋を見渡す




部屋には僕がプレゼントしたぬいぐるみや物で溢れていた





「もうこんなに沢山もらってるから、何だか悪い気がして‥」




と言いながら##NAME1##は##NAME2##のぬいぐるみをベットに乗せてお気に入り組に並べる



ベットの上にいるぬいぐるみは特にお気に入りのよりすぐり



##NAME1##が一緒に眠るトモダチだ













「僕がしたくてしてるんだから、##NAME1##は気にしなくていいんだよ」




##NAME1##を後ろから抱きしめれば、少し困ったような##NAME1##の気配








「それに##NAME1##は僕に何もねだってくれないじゃないか」




そのままベットに押し倒せば、##NAME1##は僕を見上げて遠慮がちに口を開く








「だって、Nさんが傍にいてくれるだけでいいんだもの」






嬉しいけどそれは嬉しくない






「例えばキスだって、君からお願いされた事もないし」
「それは‥」
「どこかに出掛けたいとも言わない」



だって‥ と##NAME1##は口ごもって僕から視線を逸らす



僕が年上と知って拍車がかかった敬語喋り


敬語だった##NAME1##を『Nさん』までにするのも大変だった


そこから色々僕らの間が緩やかになれば、と思ったのは誤算だったらしい





「僕だって彼女の我が儘を叶えてあげるイイ彼氏になりたいんだけど?」



言うと##NAME1##はうっ、と押黙る



解ってるよ


君がここぞいう時に意思表示するのが苦手だって事



でも



ちょっと悲しいじゃないか



遠慮されてるみたいで


頼りないと思われてるみたいで




きっと『そんな事ない』って言うのは解りきってるんだけど













「ねぇ、##NAME1##、僕のために我が儘になってよ」

「Nさんのため‥?」




うん、と頷いて僕は##NAME1##の隣に転がった


手を繋いでギュッと握り、その指先にキスすをする







「君の喜ぶ顔が見たい」



僕だけに見せる顔で

僕だけに聞かせる声で





「さ、##NAME1##。僕に君の我が儘を聞かせて?」





そのまま##NAME1##に顔を向ければ凄く困った顔をしている









「‥ギュッて…してほしい、です…」





小さく呟かれた声




おいで、と両手を広げれば、怖ず怖ずと腕の中に収まる##NAME1##





「それから?」


「えっと…頭、撫でて欲しい‥」
「ん」




ゆっくりと撫でると##NAME1##がリラックスするのが解る





「他には?行きたいところとか、したい事とかはないの?」

「一つだけ‥」




ポツリと言って、それから凄く小さな声で





「‥観覧車…」


と言った











「Nさんと、もう一度観覧車に乗りたい…‥好きな人と乗るのが、夢だから‥」





段々小さくなる声に愛しさを感じて僕は##NAME1##を抱く腕に力をこめる




「だ、ダメならいいのっ…」

「誰もダメなんて言ってない」




勝手に思い込むのは良くない癖だよ


おでこに一度だけキスをして##NAME1##を見ると、顔を真っ赤にしている








「私、本当にNさんがいてくれればいいの。明日も明後日も…来年も、ずっとNさんが傍にいてくれれば…」


それを聞いて思わず僕は苦笑い



「な、何!?なんか変な事言った?」





慌てる##NAME1##がまた愛しい







「##NAME1##、それは一番の我が儘だよ」



明日にも明後日にも


もしかしたら僕らは離れてしまうかもしれないのに



ずっと傍にいて欲しい、なんて永久的なお願い



我が儘以外の何物でもない






言われて慌てながら何かを言おうとする##NAME1##の口をふさいで、僕は耳元に囁く





「君の一世一代の我が儘、僕が叶えてあげるよ」



僕は彼女の我が儘を聞いてあげる、いい彼氏だからね





そう言うと、##NAME1##は凄く驚いた顔をしたけど、すぐに満面の笑みを浮かべて僕の胸に顔を埋ずめた


僕の一番見たかったその笑顔のまま



END
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【あとがき】

紫羽様リク、N甘夢でした
特にシュチュにご指定をいただかなかったので、煉夜が勝手に作りましたが、これで良かったでしょうか?
紫羽様がBBS内にて『N様』と書いてらしたのと、なんだか遠慮がちな印象をうけましたので、ヒロインにも反映させてみました
勘違いだったらすいません;;;
6000countのお礼として受け取っていただけると嬉しいです


今回思ったのですが…Nを甘くするって以外に難しい…?
あと思い出の場所が観覧車しかない…

アニポケ毎度見逃してるのですが、来週こそはネタ入れの為に見ようと思います

ここまで読んで下さり、ありがとうございました(__)
ClapやBBSなどでご意見いただけると幸いです


2010/10/15

シュチュ指定があったので追加でチラッと書きました
オマケ的ですがよろしければ↓へ








観覧車の中でカチンコチンに固まる##NAME1##を見ながら、僕はある事に気づく



「ねぇ、##NAME1##」



突然呼ばれたのがそんなにビックリしたのか、##NAME1##はビクリと体を跳ねさせて僕を見た



「な、何?Nさん」

「今気づいたんだけど、僕たち初デートだね」



嬉しくって思わず笑うと、##NAME1##は顔を真っ赤にして俯いてしまう


そういう初々しい反応が可愛くって好きだ




「##NAME1##、こっち」


僕の隣の空いたスペースを手で叩けば、怖ず怖ずと##NAME1##が隣に座る




膝の上で揃えられた手を握ると##NAME1##は更に顔を真っ赤にした





「Nさん‥何か緊張する」
「どうして?」
「わ‥わかんない…」



そうやって俯くのがまた可愛いからからかいたくて悪戯を思い付く



「##NAME1##、知ってる?頂上でキスしたカップルはずっと一緒にいられるんだって」
「え?」



明らかに期待する##NAME1##の顔



「でもね、女の子からしなきゃダメなんだよ」



動揺して目が泳いでる##NAME1##に僕は笑いをこらえる



「ほら、もう頂上だよ?僕と一緒にいたいならキスして?」


目をつぶって待てば、動揺しまくる##NAME1##の気配


好きだからこそのちょっとした意地悪



もしかしたら出来ないかもな、何て思って待ってたら、ガチッと音がして、乱暴なキスがきた



「いっ…ご、ごめんなさい!」


キスの勢い余って歯をぶつけるなんて、何て可愛いんだろうか


怒ってないよ、と言う変わりに、今度は僕から優しくキスをしてあげた



END
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おまけみたいになりましたが、これでお許しいただけると嬉しいです
先走ってすいませんでした(__)

2010/10/16
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