苦しいぐらいに閉じ込めて
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レンが凄く脅えた顔をして僕から目を反らした
レンの家を訪ねて
レンが玄関口に出てこないのはわかりきっていたから
『約束してたんだけど、忘れちゃったのかな?』
なんて困ったように言えばママも『困った子ねぇ…』と頬に手を当てて中に招き入れてくれる
レンのママが『ゆっくりしていってね』と言ってレンの部屋に通してくれたけど、レンが歓迎してないのはその反応から明らかに見てとれた
何しに来たの、と問いもせず、レンは階段を上がってきた僕に目も合わせず、ただベッドの上のクッションをギュッと抱いている
「レン」
呼び掛ければレンはピクリと身体を震わせて視線だけを恐る恐るこちらへ向けた
「昨日、どうして嘘ついたの?」
笑顔で問えばレンの瞳が大きく開いて、不自然に泳いだ
「昨日は…ベルとライモンの遊園地に行ってたんだろ?」
頷きもしないレンの目を見つめながらゆっくりとレンに近づく
「昨日ね、ヒウンシティで買い物してるベルを見かけたんだ。君…いなかったよね?どこ行ってたの?」
レンの顔が青ざめて、きつく結んだ唇を噛み締めるとその顔をクッションに埋めた
「僕は別に怒ってないよ」
真正面に立って、レンの顔の高さまで身を屈めるも、レンは黙って首を振るばかり
「昨日、どこ行ってたの?」
無理矢理レンの頭を両手でつかんで、グイと上を向かせれば、その瞳は涙で濡れていた
「どうして泣くの?」
レンの目尻を優しく唇で拭い、もう一度レンに言う
「僕は怒ってないよ」
だから
言ってよ
「‥昨日、どこに行ってたの…?」
「ぁ…」
レンの顔を見てから初めてのレンの声
あまりにも心地好いその音に思わず笑みが零れた
「怒らないから、言って?」
「…N、と、デントさんのところで‥お茶して…」
「……そう‥」
「ごめんなさい!!」
僕の返事を待ちもせずにレンが声をあげる
「どうして謝るの?」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
レンが何度も謝罪の言葉を口にするから、僕はある事に気づいて深くため息をついた
「Nと、デント、どっちだい?」
耳を塞いでいたレンがピクリと体を震わせて硬直した
僕はそんなレンの横に腰を降ろして、その肩を抱く
「解ってるよ。レンが僕に嘘なんてつく訳がないんだから」
「ちがっ…」
否定しようとしたレンを優しく抱きしめてその背中を撫でると、レンは何度も腕の中で首を振った
「どっちかが君を無理矢理誘ったんだろう?レンは優しいね、そんな奴らを庇ってやろうだなんて」
「わ、私が誘ったの!デントさんの所で久しぶりにNとお茶したくてっ…ベルに話を合わせてくれるように頼んだのも‥ーいっ…」
一度レンの肩を掴んで距離を空ければ、レンの瞳はまた涙に濡れていて、僕はレンのその瞳を真正面から見つめた
「嘘だろ」
自分でも不思議なくらい冷たい声になって
いつかレンをこの眼鏡越しに見下ろした時のような
冷たい何かが少しずつ入り込んで来るような感覚
「レンが僕以外の誰かといたいなんて思うわけないのはよく解ってるんだよ」
どこかに行く時は必ず、僕に報告するように
誰と出かけるかなんて勿論当然
女の子以外となんて危険だから勿論僕が着いていく
レンに何かあったら大変だもの
今日みたいに無理矢理レンに嘘をつかせて連れていくような輩もいるけど、僕は彼女の嘘を責めたりしない
それはレンの優しさだって解ってるから
「僕だけがレンを守ってあげれるんだ…だから、今度から嘘はついちゃダメだよ?」
何度こう言っても他人を庇うレンはどうしてこうなんだろうかとも思うけども、こんなレンも愛しい
後から奴らにレンに手をだすな、と告げ、思い知らせるのも僕の仕事だ
「‥もう…許してっ!」
レンが悲鳴のような声をあげて僕の胸を押した
まだ僕が怒ってると思ってるらしい
「私、チェレンの気持ちは受け取れないっ…」
走って部屋の階段を駆け降りるレン
慌ててレンの後を追えば、レンのママが驚いた顔で僕を見返した
「なんだか、今日の約束を忘れてた事を気に病んじゃったみたいで…僕は別に怒ってないんですけど‥」
ママに縋るレンの姿を見つめながら、苦笑を浮かべて僕は説明する
「今日は帰ります。…また明日ね、レン」
頭を下げて玄関へ
レンは僕をチラリとも見ない
背中で『素敵な彼氏との約束を忘れるなんて、どうしたの?』なんてレンに言う声を聞きながら、僕は彼女の家を後にした
手に入らないなら閉じ込めてしまえばいい
いつかは僕の物になる
それが
レンを苦しめる事になったとしても
きっと
それぐらいの方が…
END
++++++++++++++++++
【あとがき】
長らくお待たせいたしました(__)
フリーリク企画よりチェレン狂愛夢
リク下さった方に捧げます
狂愛…になったかな?
愛だけに狂わず全体的に彼方に逝かれた感じは否めません←
と、いうか、ママどんなけ鈍いねん!って感じですよね
それはチェレンのイイコな所に騙されてるという事でお許し下さい(__)
書きながら、愛情より狂気を感じる作品になったのがちょっと後悔です
目標にしてたNとの差別化&不器用が表現出来てればいいんですけど…
2010/12/21