目と目が合うって事は
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「ねぇ!トウヤ、寄り道していかない?」
グッと腕を引いてレンはトウヤを引き止める
「寄り道?」
「うん!」
「‥どこ?」
「ライモンシティの名物!ミュージ‥」
「却下」
言い終わらぬうちに遮られたレンは『えー!』と声をあげて抗議するも、トウヤは素知らぬ顔で足を進める
トウヤがレンと一緒にいるはめになったのは、およそ数十分前…
「トレーナー同士の目と目が合うって事は、ポケモンバトルの始まりよ!」
どこかの短パンこぞうと同じようなセリフがして、トウヤはチラリとそちらを見た
威勢よくモンスターボールを構えるミニスカートの姿
通り掛かっただけで目は合わせていないとツッコミたくなるトウヤを差し置いて、事態は進んでゆく
飛び出してきたポケモンに応えない訳にもいかず、トウヤはボールを手にとった
瞬殺、という言葉ただしく、『なんでこんなレベルの奴がこんなところに?』と疑問を持ちたくなるくらいの速さで勝負を決めたものの、面倒はこれからだった
「すごーい!君、強いね!」
ニコニコと笑うその顔に幼なじみを重ねてトウヤは短くお礼を言って先に進もうとする
あぁいう顔の時は避けるに限る、と直感が告げていた
「あ!ちょっと待ってよ~‥私、レン。君の事気に入ったからついていくね」
と強制的に言われ、無視しても延々名前を尋ねるレンに根負けして、現在にいたる
「レン、拗ねてるなら置いていくけど?」
恨めしげにミュージカルを見つめるレンを振り返って名前を呼べば、顔を輝かせてレンは駆け寄ってきて腕に絡み付く
頬まで擦り寄せてまるでチョロネコじゃないか、と思って
ちょろちょろ動き回るレンに鈴のついた首輪でも買ってやろうかなんて思う
「ねぇ、トウヤ」
「寄り道ならしないよ」
違うわよ!と憤慨してレンはもう一度呼び掛ける
生返事をしたトウヤが横目でレンを見ると、キラキラした目で見つめ返されて、思わず足を止めた
「私ね、トウヤの事好きになっちゃった」
そんなにハッキリ、躊躇いなく言う物なのか?と聞き返そうとして、レンに言葉を奪われる
「トウヤは、私が好き?」
「……」
何もかもが唐突でトウヤの思考は停止しかけた
しかけたところで辛うじて踏み止まり、トウヤは言葉の意味を反芻して暫し黙り込む
「‥好きじゃない、って言ったらどうするの?」
トウヤの問いに途端に顔を曇らせるレン
「‥仕方ない、かな。さっき会ったばかりだし、私、五月蝿いし」
へへ、と若干引き攣った笑いを浮かべて、トウヤを見上げた
騒がしい自覚はあったのか、と思いつつ、トウヤはレンの顔を両手で挟み、『ぶっ?』とマヌケな音を出したレンを見つめて、軽くそのオデコにキスをする
「え、あ‥え?な…」
混乱するレンを見て小さく笑うと、トウヤは再び歩きだす
「今はそれで、我慢しといて」
先行していくトウヤをぼんやりと眺めながら、レンは頭をフル回転させて今起こった出来事を整理する
そして、まずは置いていかれかけてる事に気づいてその後を追った
二人が甘く煮詰まるのは、もう少し先の話
END
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【あとがき】
あわわ。リクエストなのに短めですいません(__)
フリーリク企画より、トウヤ甘夢でいただいた物です
出来れば腹黒も…とのご希望だったのですが、甘と腹黒の両立をはかることが出来ませんでした
申し訳ありません(__)
ただ少しだけ答えをはぐらかす意地悪さだけ腹黒要素という事で…
どうも煉夜の中ではトウヤはクールなイメージがありまして(^_^;)
甘夢というよりは、ほのぼの夢な感じですが、お受け取りいただければ幸いです
お付き合い下さった読者様、ありがとうございました(__)
2010/11/14